混乱は収束へ、ボルチモア日本法人がビートラステッドに社名変更
2004/7/30
日本ボルチモアテクノロジーズは7月29日、社名をビートラステッド・ジャパンに変更した。ビートラステッド・ジャパンに約28%出資する米ビートラステッドのグローバルCEO ジョン・P・ガービー(John P. Garvey)氏は「日本のトップの企業に幅広くサービスを提供したい」と述べ、ビートラステッドと旧ボルチモアの製品を組み合わせて、PKIやアイデンティティ管理にとどまらない幅広いサービス提供を行っていく考えを示した。
ビートラステッドは2003年12月に英ボルチモアテクノロジーズのPKI事業を買収。それにともない日本法人の日本ボルチモアテクノロジーズが社名を変更した。
米ビートラステッドのグローバルCEO ジョン・P・ガービー氏 |
ビートラステッドはセキュリティやアイデンティティ管理の製品、サービスを有する企業で、ガービー氏によると世界のセキュリティベンダのうち、売り上げ規模で第10位に入る。製品をベースにしたビジネスではなく、セキュリティのコンサルティングやアウトソーシングに注力しているのが特徴。「われわれが他社と異なるのは中立である点だ。自社、他社の製品を組み合わせて顧客にとってベストなソリューションを提供している」(ガービー氏)という。ガービー氏によるとセキュリティベンダのトップ10のうち、サービス事業を積極的に展開しているのはビートラステッドと売り上げ2位のベリサインだけ。ベリサインのサービス事業はビートラステッドと同規模だという。
ビートラステッドは日本でも積極的にセキュリティのサービス事業を展開していく方針だ。マネージド・セキュリティのサービスが中心で、「コンサルタントの採用にも踏み出す。ビートラステッドが持つソリューションスイートの全体を日本でも提供できるようにする」(ガービー氏)という。ガービー氏は「日本でのビジョンは世界と同じ」と述べていて、製品ベースのポイントソリューションではなく、企業のビジネスプロセスに合致したトータルのセキュリティ・サービスを提供する考えだ。
トータルソリューションの提供に合わせて、日本での製品ラインアップも拡充する。旧日本ボルチモアでは電子証明書の製品が中心だったが、今後はVPNやファイアウォール、アンチウイルス、ポリシーマネジメントなどの製品をラインアップに追加し、総合セキュリティベンダを目指す。ビートラステッド・ジャパンは「日本で競争力が高い4〜5の製品を半年以内にリリースしたい」と述べた。
ビートラステッドはこれまで11社を買収するなど拡大を続けている。欧州での売り上げが最も多く、アジア太平洋地域はビートラステッドにとって第2位の市場。ガービー氏は「急成長している日本と中国の市場に最も注目している」としてビートラステッド・ジャパンに年率30%の成長と、市場シェアの第1位を獲得することを求めている。
一方で、買収や社名変更による混乱で旧日本ボルチモアの顧客やパートナーの間に戸惑いが広がっているのは事実。ビートラステッド・ジャパン 代表取締役社長 東保孝氏は「顧客、パートナーを回り状況を説明したい」と述べたうえで「これからは安心してもらえる。今後の展開しだいでは勝ち組になれる。早く日本での実績を作り、成長軌道に乗りたい」と語り、日本での拡大に自信を見せた。
(編集局 垣内郁栄)
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ビートラステッド・ジャパンの発表資料
ビートラステッド
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