ベリサインの新事業は、拡大する個人市場がターゲット
2002/5/16
日本ベリサインは、中小企業や個人向けのドメイン名登録サービスとオンライン決済サービス、それに電子証明書発行サービスの3事業を開始することを発表した。同社は今後、エンタープライズ市場だけでなく、中小企業や個人向けの事業に力を入れる方針という。
現在の同社のビジネスは、主にエンタープライズ向けの「サーバ証明書発行サービス」「電子証明書発行認証局サービス」「デジタルブランドマネージメントサービス」などの製品/サービスが中心だ。
しかし、インターネット環境の変化(例えばxDSL、CATV、FTTHなどの普及や携帯電話からのインターネットへの接続など)、電子署名法(電子署名及び認証業務に関する法律)やIT基本法(高度情報通信ネットワーク社会形成基本法)などの法整備によって、インターネットを利用する市場は急速に拡大した。同市場は今後も拡大が見込まれており、例えば総務省の調査では、インターネットの利用者数は2005年には8700万人に達し、BtoBの市場規模は125兆円(2006年)、BtoCの市場規模は16兆円(2006年)になると予測している。
日本ベリサイン 代表取締役社長兼CEO 川島昭彦氏 |
こうした需要予測を基に、今後日本ベリサインはエンタープライズ市場だけでなく、中小企業や個人市場にも力を入れる。この点について同社代表取締役社長兼CEO 川島昭彦氏は、「インターネットの利便性、双方向性がビジネスなどで利用できることは理解されたが、セキュリティの現状は後追い的な対応だ。今後、劇的に接続環境が変化し、セキュリティに関しても一般的となり、中小企業などにも広がると予測する。それに対応するビジネスを進める」と述べ、中小企業や個人向けのビジネスを推進していく姿勢を示した。
今回同社が提供を開始するのは、ドメイン名登録サービス「ベリサインドメインネームサービス」とオンライン決済サービス「ベリサインペイメントサービス」、それに個人向けの電子証明書発行サービスの3事業だ。
ベリサインドメインネームサービスは、アスキーが提供していた「アスキーストアドメインデスク」を引き継ぎ、5月27日より開始する。登録可能ドメインは、「.com」「.net」「.org」のgTLD(ジェネリック・トップレベル・ドメイン)、日本語ドメインの「日本語.com」と新gTLD「.info」「.biz」の6種類。アスキーが提供していたドメイン事業をそのまま引き継ぐため、すでに登録済みのユーザーのドメイン名に関する権利に変更はない。
ベリサインペイメントサービスは、NTTコミュニケーションズが提供しているクレジットカード決済「Livuy」(リヴァイ)を利用したもので、7月1日から開始する。
個人を対象とした電子証明書発行サービスは、IIJ4U、@nifty、OCN、DTI、BIGLOBE、famille、VECCEEDのISP7社により、7月から開始する。この証明書を使用することで、電子メールの暗号化、電子署名、ISPへのアクセスコントロールなどが可能になる。特にISP会員限定サイト、オークションサービス、ネットワークゲーム、コンテンツ配信、グループウェア機能などの提供に同社の電子証明書発行サービスが利用されるだろうという。
最後に川島氏は、「ECのライフサイクル(URLの登録、クライアント認証、安全な通信、決済)をワンストップでサポートしていく。その中でセキュリティを意識させることなくサービスを提供していく」と語り、中小企業や個人市場への意気込みを見せた。
[関連リンク]
日本ベリサイン
[関連記事]
“信頼”を軸に第2の波に照準を当てるベリサイン
(@ITNews)
Webサーバへのデジタル認証が容易になる提携
(@ITNews)
[Interview]
ドメイン登録は成熟期へ--.jpを世界に誇るブランドに (@ITNews)
印鑑イメージの電子署名ソリューションでアドビら4社が提携
(@ITNews)
日本ベリサイン、指紋認証ツールベンダーと提携
(@ITNews)
セキュリティ専任者がいる企業は約半数
(@ITNews)
情報をお寄せください:
最新記事
|
|