メインフレーム技術が生きるIAサーバ、IBMがEM64Tに対応

2004/8/4

 日本IBMは8月3日、インテルのエクステンデッド・メモリ 64 テクノロジ(EM64T)に対応したXeon、Pentium 4プロセッサを搭載した新しいIAサーバを発表した。9月から順次出荷する。インテルの新プロセッサを搭載したIAサーバは主要ベンダが発表しているが、IBMはメインフレーム技術を応用した新設計思想「Xtended Design Architecture」(XDA)をIAサーバに適用することで、「オンデマンドビジネスに耐え得るPCサーバを出し続ける」(日本IBM システム製品事業 xSeries & IntelliStation事業部長 藤本司郎氏)と強調している。

日本IBM システム製品事業 xSeries & IntelliStation事業部長 藤本司郎氏

 IBMが発表したXDAとは、メインフレームで培ったホットスワップ技術や冷却技術、管理性の技術をIAサーバに適用する考え方。システムの成長や縮小に合わせて2〜4個のプロセッサを搭載したサーバを組み合わせるスケールアウトや分散コンピューティングで利用するIAサーバに適用する。スケールアウトで利用できるIAサーバは各社が出荷している。特にIBMにとっては「コンペティションはホワイトボックスのサーバ」という認識で「IBMは独自機能を搭載し、差別化する」(藤本氏)という。

 独自機能の中心は冗長性の確保だ。新サーバではハードディスクドライブや電源、空冷ファンをホットスワップ対応にし、万一障害が起きても、すぐに交換できるようにした。オンボードでのRAIDにも対応する。また、新開発の空冷システム「Calibrated Vectored Cooling」を搭載。サーバ内の温度を測定し、自動で効果的にプロセッサを冷却できるようにした。

 IBMが発表したのはタワー型の「xSeries 206」「同226」「同236」と、1Uラックマウント型の「同306」「同336」。2Uの「同346」。206と306はEM64T対応のPentium 4プロセッサを搭載する。ほかのサーバはXeonプロセッサを搭載。価格は206が9万4000円からで、中小企業のファイルサーバなどでの利用を想定。226(15万8000円から)は中小企業でのビジネスアプリケーション、236(31万円)は分散型ERPなどでの利用を想定している。ラックマウント型の306は17万8000円、336は34万8000円から、346は39万8000円からなどとなっている。IBMは、EM64TとXDAを今後、ブレードサーバにも適用することを計画している。

(編集局 垣内郁栄)

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日本IBMの発表資料

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