ベリタスが待ち望む「ディザスタ・リカバリが予算化される日」

2004/9/8

 ベリタスソフトウェアはWindows向けのディザスタ・リカバリ(DR)製品を9月7日に発表した。ベリタスは製品のヘテロジニアス対応を進めていて、ベリタスの取締役 エンタープライズ営業担当 駒井孝康氏は「これで商用UNIX、Linux、Windowsで共通のDRソリューションがそろった」と説明。「企業のDRについての意識も高まってきていて、これから各社でDRが予算化されるとみている」と述べた。

ベリタスソフトウェア 取締役 エンタープライズ営業担当 駒井孝康氏

 ベリタスは今年7月に企業のDRを総合的に扱うコンサルティングサービスの開始を発表し、DR関連製品の拡充を図っている。駒井氏によると、DRのコンサルティングサービスにはすでに金融や製造など数社から引き合いが来ているという。

 ベリタスが今回発表したDR関連製品は、ストレージ仮想化ソフト「VERITAS Storage Foundation for Windows」のバージョンアップ版と、Storage Foundation for Windowsにオプション製品を加えてパッケージ化した「VERITAS Storage Foundation
4.1 for Windows HA(High Availability版)」「VERITAS Storage Foundation 4.1 for Windows DR(Disaster Recovery版)」の3種。

 Storage Foundation for Windowsのバージョンアップ版であるバージョン4.1は、ファイル単位でリストアできる「Fast File Resync」と、よく利用するデータをキャッシュに保存することで高速アクセスを可能にする「VxCache」の2つの新機能を搭載。計画的なダウンタイム、不測のダウンタイムの両方を短縮できるとしている。

 Storage Foundation 4.1 for Windows HAは、Storage Foundation for Windowsに、クラスタソフトの「VERITAS Cluster Server」を組み合わせた製品。Storage Foundationによってサーバのディスクを冗長化できるとともに、Cluster Serverでサーバの冗長化構成を可能にする。本番系と待機系でN対Nのクラスタ構成を取ることが可能。フェイルオーバー先のサーバ負荷に対してもワークロード管理を行い、柔軟な構成でフェイルオーバーできるという。

 Storage Foundation 4.1 for Windows DR(Disaster Recovery版)は、災害発生時に遠隔地に設置した別のサーバに業務を引き渡して、迅速に業務を再開させることができる製品。Storage Foundationに、Cluster Serverとオプション製品の「VERITAS Volume Replicator」「Global Cluster Option」を組み合わせる。Volume ReplicatorはIPネットワークで接続した遠隔地のストレージに対して、同期、非同期でデータを複製する製品。Cluster Optionは、障害発生時に遠隔地の別サイトのサーバに業務を受け渡して、業務を続行させる機能がある。これらのオプション製品を組み合わせたStorage Foundation 4.1 for Windows DRを使うことで災害発生時でも「データ損失を少なくして、数分でリカバリできるようになる」という。

 価格はStorage Foundationが13万2300円から、Storage Foundation 4.1 for Windows HAが76万1250円から、Storage Foundation 4.1 for Windows DRが148万3650円からとなっている。出荷は9月末。

 DRというと遠隔地の別サイトにストレージやサーバを用意し、災害発生時に業務を代替させるというのが一般的なイメージ。しかし、ベリタスでは扱うデータの重要性や、ダウンタイムによって発生するコストなどを総合的に検討してDRを構築する必要がある、との考えで「ニーズに応じた可用性を実現するトータルアプローチが重要」としている。

(編集局 垣内郁栄) 

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ベリタスソフトウェア

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