インテリシンクが企業向けシンクサーバ、10月末に出荷

2004/9/16

 インテリシンクは企業向けのシンクサーバ「Intellisync Mobile Suite」(IMS)の日本語版を10月末に出荷開始する。企業のグループウェアやCRMと、クライアントPCやPDA、携帯電話とを同期させられるのが主要な機能。データベースとの連携機能も搭載する。

インテリシンク 営業、マーケティング担当副社長の井手龍彦氏

 インテリシンクはグループウェアとPDAを同期させるコンシューマ向けの製品が有名。しかし、実際は国内での売り上げのうち、コンシューマ向け製品が占める割合はわずか5%で、PDAや携帯電話へのソフトの組み込みや、企業向けのソフト販売にビジネスの軸足を置いている。インテリシンク 営業、マーケティング担当副社長の井手龍彦氏は「IMSは企業の非常に広いエリアで活用できる」として「エンタープライズのメインストリームに打って出る」と意気込んでいる。

 IMSは、自社の技術とインテリシンクが買収したシンクロロジックの技術を融合し、開発した。クライアントPC、PDA、携帯電話と同期できるアプリケーションとして、従来のインテリシンク製品が対応していたグループウェア、CRMに加えてデータベースとも同期できるようにしたのが特徴。ユーザーはグループウェアやCRMのPIM情報、顧客情報だけでなく、データベースに保存してあるさまざまなファイルをモバイルデバイスで持ち出せるようになる。万単位のユーザーをサポートし、大企業での利用にも対応する。

 また、インテリシンクが「企業からのニーズが高い」とみているのが、IMSのもう1つの機能であるデバイスの管理機能。企業システムにアクセスするクライアントPCやPDA、携帯電話のデータをバックアップしたり、使用頻度をログとして残すことができる。紛失したデバイスを使用禁止にしてデータの流出を防ぐなどの使い方もできるという。井手氏は「個人情報保護法の施行を前に、セキュリティ対策としてデバイス管理の機能を利用したいという問い合わせが増えている」と語った。

 IMSは各機能をモジュール化していて、企業は利用したい機能だけを選択して実装できる。管理コンソールが用意され、1つのツールでIMSの全機能を管理可能となっている。

 IMSは欧米、アジアですでに英語版が出荷されていて、アジア太平洋地域で2社が採用を決定したという。井手氏は国内での販売戦略について「ネットワーク系に強いシステム・インテグレータや携帯電話キャリアの法人部隊との連携を探りたい」と述べた。

(編集局 垣内郁栄)

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