2005年には企業アプリの40%がモバイル対応になる、ノキア
2004/5/13
ノキア・ジャパン エンタープライズ・ソリューションズ事業部 カントリー ジェネラル マネージャー 柳下幹生氏 |
「2005年には、基幹業務アプリケーションを含む40%以上のアプリケーションがモバイル対応になる」。ノキア・ジャパン エンタープライズ・ソリューションズ事業部 カントリー ジェネラル マネージャー 柳下幹生氏は、企業におけるモバイル化の状況についてこのように予測する。もちろん、柳下氏が予測する近未来に到達するためには、いくつかの段階を踏まなければならない。同社では、その第1ステップとして、電子メールや住所録、タスク表、イントラネットへのアクセスのモバイル化を想定し、第2段階として、CRMやSFAなどのフロントエンド・アプリケーションへのアクセスがモバイル化が促進されると考えている。その後、ERPやデータベースといった基幹業務アプリケーションのモバイル化が進むというシナリオだ。
このシナリオには、ノキア本体が企業向けネットワークシステム事業へ本格参入を果たす意志が込められている。同社は2004年1月に、Mobile Phone事業グループの中のビジネス・アプリケーション事業部とNokia Internet Communications事業部およびその他の企業関連事業部をまとめて、エンタープライズ・ソリューションズ事業部を創設している。柳下氏によれば「今後のノキアの屋台骨になる事業」であるという。従来ノキアが培(つちか)ってきたモバイル事業とネットワーク事業を企業向けに切り出し、新たな市場を築こうというわけだ。現在、同事業部に属する従業員は全世界規模で約2000人。ノキア・ジャパンでは、かつてのインターネット・コミュニケーションズ事業部を前身として、新たにエンタープライズ・ソリューションズ事業部を設置した。
2004年1月〜3月期の事業部別売上高比率をみると「モバイル・フォン事業部」が64%、「マルチメディア事業部」が12%、「ネットワークス事業部」が21%で、「エンタープライズ・ソリューションズ事業部」は3%である(全体の売上高は66億2500万ユーロ)。依然として個人向けの携帯電話関連ビジネスが同社の柱であることに変わりはないものの、「常に業態を変化させ続けてきたノキアが次に狙うのは企業向けモバイル・ネットワーク・ソリューションだ」(柳下氏)という。確かに、創業以来138年の歴史を誇る同社の業態変化には目を見張るものがある。もともとは製紙業だったが、長靴製造、家電製品開発、ケーブル機械などを生産するコングロマリットを経て、1990年代に移動体通信業に専念するようになった。
新設事業部であるエンタープライズ・ソリューションズ事業部では、ビジネス用の携帯端末の提供からIPネットワークのセキュリティ(ファイアウォールやVPN)、モバイル・コネクティビティ製品(SSLベースのリモートアクセスVPN)などを企業向けに提供していく。単なるネットワーク・セキュリティソリューションの提供ではなく、企業におけるモバイル・ネットワーク接続環境を実現するための製品を提供していくというところがノキアらしいといえる。
(編集局 谷古宇浩司)
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