「秘文」はセキュリティ管理システムに進化する

2004/9/28

 日立ソフトウェアエンジニアリングはセキュリソフト「秘文」の新バージョン「秘文 Advanced Edition Ver.07」(以下、秘文 07)を11月に出荷すると9月27日に発表した。秘文 07はISMS(Information Security Management System)認証基準で定義されているセキュリティ管理のPDCA(Plan-Do-Check-Action)サイクルの全フェイズに対応したのが特徴。日立ソフトは「これまでの秘文はセキュリティ製品だったが、これからの秘文はセキュリティマネジメントシステムになる」としていて、セキュリティ運用に力点を置いた製品である点を強調した。

 日立ソフトは2004年6月に今後の秘文のコンセプトを発表した。主な内容はISMS認証基準に対応したセキュリティマネジメントシステムとして、セキュリティ管理のPDCAに準拠すること。セキュリティ管理のPDCAは、Planが情報資産のリスクマネジメント、Doが具体的管理策(暗号、認証、アクセス制御)、Checkがログによる評価、監査、Actionがログによる分析、予測に基づくセキュリティ対策改善を指す。

日立ソフトの営業統括本部 副統括本部長 兼 戦略ソリューション営業推進部長 加藤礼吉氏

 秘文 07はこれまでの秘文のバージョンアップ製品と、新製品で構成する。新製品はクライアントPCの不正接続をチェックするなどハード資産のネットワーク接続状況を収集できる「秘文 AE PortDiscovery」と、複数システムのログを集中管理し、レポート出力する「秘文 AE LogManager」、添付ファイルの電子メール送信をブロックする「秘文 AE MailGuard」、秘文の暗号化APIをほかのアプリケーションで利用できるようにする「秘文 AE 開発キット」。

 バージョンアップし、機能が強化されたのは「秘文 AE サーバ」「秘文 AE Information Fortress」「秘文 AE Information Cypher」「秘文 AE Information Share」「秘文 AE Secure Inspector」となっている。それぞれGUIや運用管理性などが向上したという。価格や詳細は10月中旬にも発表される予定。

 日立ソフトの営業統括本部 副統括本部長 兼 戦略ソリューション営業推進部長 加藤礼吉氏は秘文について「7月までに600社が採用し、30万ライセンスが利用されていて暗号化ソフトでトップシェアとなっている」としたうえで、新バージョンについて「ISMS認証基準のPDCAマネジメントサイクルをすべて包含する製品は他社にはない」と自信をみせた。日立ソフトでは新バージョンの投入で2004年度末までに1500社の採用、100万ライセンスを目指すという。

(編集局 垣内郁栄)

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