「準備はできてるかい?」、シトリックスCEOが語るアクセス戦略
2004/10/7
米シトリックス・システムズの社長兼CEO マーク・テンプルトン氏 |
米シトリックス・システムズの社長兼CEO マーク・テンプルトン(Mark B. Templeton)氏は同社のユーザー向けイベント「iForum2004」で講演し、ITシステムの運用管理コストの削減とITのビジネスへの同期が今後のテクノロジの方向性になると強調し、同社が訴える次世代のITシステム戦略「アクセス インフラストラクチャー」の有効性を2200人以上の参加者に訴えた。
テンプルトン氏は「企業はITシステムのランニングコストを削減し、成長のための投資を行わないといけない」と述べ、ITシステムの運用管理コストの削減が企業の成長を助長すると説明した。ITシステムの運用管理コストが増大している背景には、さまざまなハード、OS、アプリケーション、ネットワーク環境などが混在し、ITシステムが過度に複雑化しているということがある。シトリックスはこの複雑化したITシステムに対してアクセスという切り口を与えることで、シンプルにできると訴えてきた。
アクセスという切り口とはユーザーからITシステムを見た場合、どのデバイス、どの場所でも同じ情報を得られるということを指す。特に今後はこれまで考えられなかったデバイスからITシステムにアクセスする必要がでてくると考えられる。テンプルトン氏は「皆さん、新しいデバイスへの準備はできていますか」と聴取に問いかけ、新しいアクセス手段に柔軟に対応し、ITシステムの運用管理コストを低減するアークテクチャ「アクセス インフラストラクチャ」が重要になると説明した。「次のイノベーションの波はユビキタスで制限のないセキュアなアクセスを提供すること。これがビジネスシステムのコアになる」(テンプルトン氏)。
テンプルトン氏はアクセス インフラストラクチャを実現するうえで、今後強化する機能として8つのテクノロジを挙げて説明した。8つのテクノロジとは、さまざまなデバイス、ネットワークで共通のアクセス環境を提供する「SmoothRoaming」、リモートアクセス環境での共同作業を支援する「Instant Collaboration」、ユーザーの環境によって自動でアクセス手段を判別し、最適化する「SmartAccess」、通信の暗号化やパスワードの管理を行う「Secure by Design」、ポリシーベースでITシステムのライフサイクルを管理する「Integrated Identity & Provisioning」、モニタリング機能などでITシステムの現状を把握する「End to End Visibility」、ITシステムの管理を自動化し、サポートコストを抑える「On-Demand Assistance」、ビジネス戦略に合致したITシステムの拡張性を保証する「Robust & Resilient Foundation」。
この中ですでにSmoothRoamingは「Citrix MetaFrame Presentation Server 3.0」に実装されている。また、Instant Collaborationは「Citrix MetaFrame Conferencing Manager」で一部が実現されている。テンプルトン氏は8つのテクノロジについて「1つのシステムについて機能し、製品に直接関連する」と説明した。この8つのテクノロジが実現できたときにアクセス インフラストラクチャが完全に達成できるといえる。8つのテクノロジは来年以降に発表されるCitrix MetaFrame Access Suiteの各製品に順次、適用されるとみられる。
(編集局 垣内郁栄)
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