HP、グリッド技術で無限の保存容量を可能に!?
2004/10/8
日本ヒューレット・パッカードは10月7日、独自モジュールに属性を付けることでグリッド・コンピューティングを用いたストレージ管理を実現する新アーキテクチャ「HP StorageWorks Grid」を発表し、併せて同アーキテクチャを利用した第1弾製品「HP StorageWorks Reference Information Storage System(RISS)」の受注を開始した。
米ヒューレット・パッカード カンパニー ネットワークストレージソリューションズ副社長兼ゼネラル・マネージャ ボブ・シュルツ氏 |
HP StorageWorks Gridは、「スマートセル」というモジュールに属性を付けることで、企業のポリシーに応じた効率的な格納と高速なデータ検索を可能にするアーキテクチャだ。米ヒューレット・パッカード カンパニー ネットワークストレージソリューションズ副社長兼ゼネラル・マネージャ ボブ・シュルツ(Bob Schultz)氏によると、「データを保存する方法よりも、データの利用方法を改善した」という。
具体的には、スマートセルに「Aというストレージは、Bというデータセンターに設置されており、XXテラバイトのハードディスクを持ったデバイスである」といった属性を付けることによって、ハイエンドやローエンドなどのデバイス性能に関係なく、均一に利用できる。既存のストレージネットワークに導入する場合でも、すべてのストレージを単一のシステムイメージとして扱うことができるため、集中管理できる。今後はさらに機能拡張し、ファイルサーバやアーカイブ、管理機能を統合したソリューションも提供していきたいとしている。
日本HPエンタープライズストレージ・サーバ統括本部 ネットワークストレージ製品本部本部長の渡辺浩二氏は、「スマートセルの属性を変更するだけでデータ移動が容易に行えるようになるほか、データの重要度に応じて属性を変えることで重要度に応じて最適なストレージにデータを保存することが可能となり、当社の考えるILMを実現できる」と説明した。
HP StorageWorks Gridに対応した第1弾製品となるRISSは、米国で2004年6月から施行されている「e-文書法」に準拠しており、メールの改ざん防止のために配信時間のデジタル署名や、あらかじめ決められた時間の保存機能などを備えている。また、グリッド・コンピューティングによって、既存のストレージを含めた無限の拡張が可能だとしている。価格は1TB(テラバイト)モデルで2310万円から。
シュルツ氏は、「RISSは、すでに米国NASDAQに導入されており、『1日320億通の電子メールを保存し、なおかつ検索時間3秒を実現する』という同社の目標を達成した。今後もグリッド・コンピューティングを用いることによって、無限にストレージ領域を拡大していくことができるだろう」と導入事例も紹介した。
(編集局 大津心)
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日本ヒューレット・パッカードの発表資料
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