企業モバイルを促進か、インテリシンクが新製品

2004/10/29

 インテリシンクは携帯電話やPDAなどのモバイル機器と、グループウェアや社内のデータを同期させるスイートソフトウェア「Intellisync Mobile Suite Ver6.0J」(IMS)を10月28日に正式に発表した。PIM機能を統合した携帯電話の登場などで、企業システムとモバイル機器を連携させるニーズが今後拡大すると判断。インテリシンクは携帯電話のキャリアなどにも働きかけて、企業でのモバイル機器の活用を提案していく考えだ。

インテリシンクの代表取締役社長 荒井真成氏

 インテリシンクの代表取締役社長 荒井真成氏は「米国では1年以上前からIMSを提供している。携帯電話キャリアやサービスプロバイダにOEM提供もしている」と説明。特に携帯電話とPDAを組み合わせたモバイル機器でIMSを利用するケースが広がっているという。荒井氏は「携帯・PDA一体型のデバイスが企業に入っていくうえではIMSは欠かせない。日本でも同じように考えていて、いろいろなところにお話をしている」と述べた。

 IMSは4つのコンポーネントで構成される。中心となるのはグループウェアやメールサーバと同期して、モバイル機器で電子メールやPIM情報を参照できるようにする「Email Accelerator」のコンポーネント。対応するのは「Microsoft Exchange Server 5.5/2000/2003」「Notes/Domino R5/R6」とPOP3、IMAP4のメールサーバ。モバイル機器に搭載されたWebブラウザを使って電子メールやPIM情報を読む方法と、インテリシンクが開発したクライアントソフトウェアをモバイル機器にインストールして読む方法がある。IMSの出荷時にEmail Acceleratorが対応するのはマイクロソフトの「Pocket PC」のみ。今後、DojaやBREW、J2ME、Symbian、PalmOS、SyncML、Windows OSに対応予定。

 IMSはモバイル機器に対してファイルを一括配信するコンポーネント「File Sync」と主要なデータベースとモバイル機器を同期させるコンポーネント「Data Sync」も搭載する。Data Syncはクライアント向けアプリケーションを開発できるAPIが公開されていて、データベースとモバイル機器を連携させるアプリケーションを開発できるという。

 IMSのコンポーネントでインテリシンクが一押ししているのがモバイル機器のセキュリティを強化する「System Management」。モバイル機器を紛失した際に、リモートでモバイル機器のデータを消去したり、機器自体を利用禁止にできる。顧客データなどを保存したモバイル機器を紛失しても情報漏えいなどの被害を最小限に食い止められるという。モバイル機器発見後にデータをリカバリする機能もある。

 Email Acceleratorは10月28日に出荷開始。System ManagementとFile Syncは2005年3月、Data Syncは2005年第2四半期に提供を開始する予定。Email AcceleratorがPalmOSをサポートするのは2005年3月になるという。価格は1ライセンス当たり1万9200円。最小50ライセンスから利用できる。

 インテリシンクはIMSの発表にあわせてパートナー向けの支援プログラムも立ち上げた。トレーニングやユーザー事例などを提供する。荒井氏は「IMSがよりよく使える仕組みをキャリアやパートナーとともにつくっていきたい」と述べた。

(編集局 垣内郁栄)

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インテリシンクの発表資料

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