開発プロジェクトをビジネスプロセスに変える、ボーランド

2005/1/26

ボーランド 代表取締役社長 小手川清氏

 米ボーランドが2004年9月に発表した新たなビジョン「Software Delivery Optimization(SDO)」は、これまで同社がリリースしてきた「ALM(Application Lifecycle Management)」製品群を新たにパッケージ化して具現化することになる。それが「Borland Conference 2004」でボズ・エロイ(Boz Elloy)氏(Senior Vice President of Software Products)が紹介した、ソリューション・コードネーム「Themis(テーミス)」「Hyperion(ハイペリオン)」「Prometeus(プロメテウス)」である。

 SDOは“ソフトウェア開発を予測可能なビジネスプロセスに変革する”ことで、企業におけるソフトウェアの価値の最大化を狙うというビジョンである。このような目標を達成するために同社が設定した課題は大きく3つある。すなわち、「プロジェクトに内在するギャップの解消」「プロジェクトをコントロール可能にすること」「ビジネスとの連携を高められること」だ。コードネーム「Themis(テーミス)」に始まる3つの製品は、アプリケーション開発に携わるスタッフが同一の開発リソースを共有することを目指している。

 「Themis(テーミス)」は、アナリスト、アーキテクト、開発者、テスターといった各開発担当者がそれぞれ、要求管理、モデリング、コーディング、プロファイル、テストの自動化といった独自の作業を各々のクライアントで行いつつ、それぞれの作業で生じた進捗データを1つのリポジトリ・サーバ上で統合的に管理する。その結果、開発の各工程の進ちょく状況も閲覧可能になるわけである。なお、「Themis(テーミス)」において、クライアント側は、「CaliberRM」「Together」「StarTeam configuration management」「Optimizeit performance testing」「JBuilder Java IDE」の機能を利用することになる。

  「Themis(テーミス)」を基盤として、「Hyperion(ハイペリオン)」はプロジェクト・マネージャ、IT部門管理職、管理者、オペレータといった、より広範囲にわたるアプリケーション開発担当者が情報の共有を行えるようになる。機能的には、「プロセス管理」や「プロジェクト管理」(の機能)をプラグインする。

 さらに、「Prometeus(プロメテウス)」は、「プロジェクトポートフォリオ管理」「リソース/スキルプランニング/アロケーション」といった機能を追加することで、よりビジネスの視点から開発プロジェクトを俯瞰(ふかん)するスタッフが(プロジェクトに)関与できるようになる。つまり、基幹業務管理者やCIO、CFO、開発本部長レベルのスタッフが、アプリケーション開発にかかわる情報共有の輪に携わることができるようになるわけだ。

 「Themis(テーミス)」は2005年中盤のリリースを目処に現在開発中であり、1〜2年の期間内に順次「Hyperion(ハイペリオン)」「Prometeus(プロメテウス)」をリリースする予定。

(@IT 谷古宇浩司)

[関連リンク]
ボーランド

[関連記事]
ソフトウェアの展開を最適化する「SDO」 (@ITNews)
「開発者への道しるべを目指す」と米ボーランド (@ITNews)
わずか半年でメジャーバージョンアップする「Borland JBuilder 8」登場 (@ITNews)
ボーランド20周年を飾るのは.NET完全対応のDelphi 8 (@ITNews)
WebサービスとUMLのDelphi 7、クロスプラットフォームのKylix 3 (@ITNews)

情報をお寄せください:



@ITメールマガジン 新着情報やスタッフのコラムがメールで届きます(無料)