F5が全製品に搭載する新OS「TM/OS」とは
2005/1/28
米F5ネットワークスは、2004年9月に発表した負荷分散装置「BIG-IP v9」に採用した新アーキテクチャのトラフィック管理OS「TM/OS」を今後、同社の別の製品にも拡大する考えを1月27日に明らかにした。TM/OSを搭載したアプリケーション・ファイアウォール製品の「TrafficShield」を2005年9月に出荷する予定で、SSL-VPN製品の「FirePass」も順次、TM/OSを採用していく方針。
TM/OSはWebアプリケーションサーバやデータベースとエンドユーザーの間で稼働し、アプリケーションのトラフィックが最適に流れるようにする。BIP-IP v9の場合では、TM/OSがアプリケーションプロキシとして動作し、アプリケーションとエンドユーザーの間のトラフィックを分析。エンドユーザーの接続デバイスごとに最適なパフォーマンスが維持できるように双方向のフローを調整する。
米F5ネットワークスのCEO ジョン・マカダム氏 |
F5は2005年9月以降、TM/OSをTrafficShieldに搭載する考え。さらにFirePassにも搭載する計画で、最終的にはBIG-IP、TrafficShield、FirePassの3製品のベースにする。米F5のセキュリティビジネスユニット シニア・バイスプレジデントのジェフ・パンコティン(Jeff Pancottine)氏は、各製品のOSをTM/OSベースにすることで「3製品の機能を統合したモジュール製品の提供が可能になる」と説明した。
F5が今後伸ばしたいのは、TrafficShield、FirePassのセキュリティ分野の製品だ。特にアプリケーション・ファイアウォールのTrafficShieldは競合するベンダが少なく、大きな先行者利益が得られるとF5は判断している。
TrafficShieldは、既存のファイアウォールでは防げないことが多いHTTP/HTTPSベースの攻撃をブロックする。防げるのはバッファオーバーフローやクロスサイトスクリプティング、コマンドインジェクション、パラメータ改ざんなど。ジェフ氏はTrafficShieldの特徴として、アプリケーションごとのポリシー作成、アプリケーションのトラフィックを高速に分析するフルプロキシ、未知の攻撃に対応するポジティブ・セキュリティ・モデルの3つを挙げた。
F5の中でセキュリティ製品の販売はこれからだ。F5のCEO ジョン・マカダム(John McAdam)氏によると、F5の2005年第1四半期の売り上げ6000万ドルのうち、FirePassの売り上げは480万ドル、TrafficShieldが30万ドル。両製品を合わせても製品全体の売り上げのうちの10%に過ぎない。マカダム氏は「セキュリティ製品の成長を期待している。v9の投入で成長が加速するだろう」と今後の見通しを語った。
(@IT 垣内郁栄)
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F5ネットワークスジャパン
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