JR東日本が始める「モバイル Suica」、対応携帯電話は……

2005/2/23

 JR東日本は、NTTドコモ、ソニーと協力し、IC乗車券と電子マネーの機能があるSuicaをNTTドコモの携帯電話に搭載する「モバイル Suica」サービスを2006年1月に始めると発表した。Suica同様に金額をチャージした携帯電話で鉄道の改札を通過できたり、電子マネーでショッピングができるようになる。JR東日本の代表取締役社長 大塚陸毅氏はモバイル Suicaの開始で「3社で日本における新しい社会インフラを構築していく決意だ」と述べ、開始1年で100万人の利用者獲得を目指すとした。

Suicaのイメージタレントを務める西原亜希さんが登場。モバイル Suicaについて「ワクワクしますね!」

 モバイル Suicaは、対応するNTTドコモの携帯電話をIC乗車券や定期券として使うことができる。モバイル Suica独自の機能として、携帯電話のネットワークを利用して、金額をチャージする「エア・チャージ」や、定期券の購入を可能にする。携帯電話の画面で電子マネーの残高や使用履歴の確認も可能。現行のSuicaカードの電子マネーで支払いができる全店舗で、モバイル Suicaを使えるようにする。大塚氏は「Suica 電子マネーは毎日8万件の利用がある。2008年度に400万件の利用を目指したい」と述べた。大塚氏は「モバイル SuicaはJR東日本のSuica事業のコアを担う」とも述べ、意気込みを示した。

 JR東日本は2005年3月にモバイル Suicaのフィールドテストを開始する。本サービス開始後の2006年度後半には、モバイル Suicaにチャージした電子マネーを使ってオンラインショッピングを利用できる機能を追加。また、2007年度にはモバイル Suicaで新幹線の指定席券などを購入し、そのまま改札を通過するサービスも始める予定。携帯電話への広告配信や、モバイル Suicaを利用することによるポイントの付与なども検討している。要請があればJR西日本など各地の鉄道会社とも連携する考え。NTTドコモ以外の携帯電話キャリアともモバイル Suicaサービスを始めることも検討する。

左からソニー 代表執行役社長 安藤国威氏、JR東日本 代表取締役社長 大塚陸毅氏、NTTドコモの代表取締役社長 中村維夫氏

 モバイル Suicaが利用できるNTTドコモの携帯電話は、ソニーのFeliCaチップを搭載する「おサイフケータイ」と呼ばれる機種。NTTドコモの代表取締役社長 中村維夫氏は、「基本的にFOMA 900iC、901iCシリーズではモバイル Suicaを載せられると思う。今後の発表するおサイフケータイはモバイル Suicaに対応させたい」と述べた。mova 506iCシリーズは対応しない見通し。金額をチャージした携帯電話の盗難や紛失に備えて、指紋認証を使った携帯電話のロックや、ネットワークを介しての利用停止など現在一部の携帯電話に盛り込んでいる機能を、別の携帯電話機種にも搭載していく方針。FeliCaチップを搭載したおサイフケータイは2月12日に200万加入を突破。NTTドコモは2005年度末までに1000万の加入を目標としている。

(@IT 垣内郁栄)

[関連リンク]
JR東日本の発表資料(PDF)
NTTドコモの発表資料
ソニーの発表資料

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