255万の会員を調査や通販に有効活用? ネットマイル

2005/3/9

 ネットマイルは3月8日、2005年度の事業説明会を実施し、インターネットリサーチサービス「NetMile リサーチ」と、インターネット通販サービス「ネットマイルストア」を開始すると発表した。NetMile リサーチは3月8日から、ネットマイルストアは3月15日からサービスの提供を開始する。

ネットマイル 代表取締役社長 水野千秋氏
 ネットマイルは三井物産の子会社で2000年に創業。提携サイトで商品を購入したり、指定のURLをクリックするなど、ユーザーが起こしたアクションに対してマイルを提供するポイントプログラムサービスを展開している。

 提携サイトには、ジャパンネット銀行やSo-net、NEC Directなど、現在約630サイトが登録しており、会員数は約255万人に上る。会員属性は、比較的年齢層が高く、30代が44.57%で1番多く、次いで20代の27.62%、40代の19.11%と続く。このことから、ネットマイル 代表取締役社長 水野千秋氏は「社会人と主婦を合わせると約9割と大部分を占めているうえに、年齢層も30代が中心となっており、比較的“大人のサイト”なのではないか」と説明した。また、携帯電話向けの「モバイル―ネットマイル」も会員数11万人、提携サイト44サイトとなっている。

 NetMile リサーチは、この255万人の会員を対象としたインターネットリサーチサービスだ。この数字の大きさをネットマイル 取締役本部長 畑野仁一氏は「競合他社は、現在十数社いるが、最大手でも84万人程度だ。その3倍のユーザーにリーチできる点が大きい」と説明した。また、“リサーチ慣れ”していない点も大きいという。ネットマイル会員は登録時にネットマイルを貯めたくて登録しているため、リサーチ会員を募集している専業他社の会員に比べてインターネットリサーチの初心者が多く、「慣れて適当に回答してしまうユーザーの比率が低い」(畑野氏)だという。

 そのほか、アンケート実施後、24時間以内に結果を渡せるスピードや、料金面も競合他社を上回るとしている。サービスは、基本サービスとして通常のリサーチサービスである「Easyリサーチ」と、アンケートシステムをASP形式で提供する「ASPリサーチ」の2種類を用意。ブランドの所有状況などを調べる「bdbリサーチ」や複雑な調査が必要な場合の「Customリサーチ」も提供する。また、フリーフォーマットの回答を分析するデータマイニングツール「Easyマイニング」もオプションで提供する。

ネットマイル 取締役本部長 畑野仁一氏

 ネットマイルストアは、ネットマイルが提供するインターネット通販サービス。ネットマイルは2003年11月よりネットプライスと提携し、オンラインショッピングコーナー「ネットマイル買い物大好き」を運営していたが、予想以上に好調だったことから、スキームを見直して正式サービスとして開始した。現在はネットプライスに加えて、書籍部門の「bk1」、音楽部門の「Listen.com」、スーツ部門の「パーフェクト・スーツ・ファクトリー」と新たに提携して販売する。

 具体的には、ネットマイルが会員に対してメールマガジンやWebサイトから、それぞれの部門のページへと会員を誘導する。誘導率を高めるために、URLをクリックするだけでマイルがもらえるサービスや、購買ページ内に必ず3カ所の“宝箱”を表面上分からないように設け、ページ内URLのクリックを促す仕掛けなどが施されている。畑野氏によると、「商品販売において最も重要なのは“商品を訴求すること”だ。255万人という会員に商品を訴求できるこのサービスは、(商品を)かなり訴求できるのではないか」と自信を見せた。なお、提携先は現在4社だが3カ月以内に1〜2社増やし、2005年度末までには8社に増やす予定だという。2005年の売上高の目標は24億円。

(@IT 大津心)

[関連リンク]
ネットマイル
NetMile リサーチ
ネットマイルストア(3月15日から)

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