[Interview] EJB 3.0で簡単にコンポーネントが書ける
2005/3/15
Javaの最も新しいテーマは「Ease of Development」、つまり、より易しく開発できることだ。これにより、Javaでアプリケーションを構築する開発者の獲得増加を目指している。サーバベースのコンポーネントモデルであるEJBも、このテーマに沿ってバージョンアップが進められている。次のEJB 3.0はどうなるのか、EJB 3.0のスペック・リードで、米サン・マイクロシステムズのJ2EE、Java Webサービス シニア・スタッフエンジニア リンダ・デミケル(Linda G. DeMichiel,Ph.D.)氏に話を聞いた。
――EJB 3.0を設計するうえで最も重視したことは?
米サン・マイクロシステムズのJ2EE、Java Webサービス シニア・スタッフエンジニア リンダ・デミケル氏 |
デミケル氏 EJBをシンプルにすることだ。もともとEJBは、リモートな分散コンポーネントを実現するために設計されたもので、そのために機能追加を重ねてきた。その過程では、あまりJava開発者の開発効率のことは考えられていなかったと思う。私が以前、本を読みながらEJBについて初めて勉強したときも、「なんでこんなにたくさんインターフェイスがあるのか」と思ったものだ。しかしEJB 3.0ではメタデータを採用し、いままでよりずっとシンプルにプログラマがEJBを記述できるようになる。より多くのJava開発者に使ってもらうためには、もっともっとシンプルに、例えばビジネスロジックを書いたらそのままEJBになるくらいにしたい。
――コードとXMLのメタデータが分かれることで、かえってソースコードが読みにくくならないか?
デミケル氏 それはありうる。今後解決して行かなくてはならない問題だ。しかし重要なのは、デフォルトの状態で多くの設定をまかなえるようにしておき、コードはシンプルに。そして必要に応じて例外の設定だけを参照するようにしたことだろう。
――SOAやアジャイル開発といった新しいトレンドはEJB 3.0の仕様策定に影響したか?
デミケル氏 今回のEJB 3.0のフォーカスは、より多くのJava開発者を獲得することであり、そのために簡単にEJBが開発できることだった。だからSOAのための仕様などは入っていない。しかし、次のバージョンのEJBはSOAに対応していく予定だ。例えばEJBがビジネスプロセスのモデルになるなど、SOA関連の機能を追加していく。
――EJB 3.0では、仕様を決めるJCPのプロセスはどのように進めているのか?
デミケル氏 ほかのエキスパートグループでは、フェイス・トゥ・フェイスで進めているところや、電話会議で進めているところなどがある。実際、JCPにはさまざまな進め方がある。EJBに関していうと、前回はメールだけだったが、今回のEJB 3.0では実際に会話することも大事だと思ったため、電話会議でブレインストーミングも行い、メールで細かい部分を決めていった。
(@IT 新野淳一)
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サン・マイクロシステムズ
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