EJB流通時代に求められる技術者像
2003/4/18
NECのIT基盤システム開発事業部 Java/XML技術センター長 岸上信彦氏 |
NECのIT基盤システム開発事業部 Java/XML技術センター長の岸上信彦氏は、第10回EJBフォーラムで「EJBコンポーネント流通時代に求められる技術者像」のテーマで講演し、エンジニアとベンダ、システム・インテグレータ(SI)の将来像について語った。
岸上氏は、「システム構築と製品開発で発揮できるとよい技術」として、複数の設定モデルを使うことができることや、進化するJavaテクノロジを見極めて適切な技術を選択すること、Beanの使い分けができること、ノウハウのコンポーネント化ができることなどを挙げた。プロジェクトとして考えると「1人1人がすべての知識を有することはない。誰かに聞けばこれはわかるという状況にするのが重要」と語った。
また岸上氏は、EJBコンポーネントが流通することで、「コンポーネントの再利用の範囲が拡大する」と指摘。従来は企業内での再利用が主流だったコンポーネントだが、現在では各企業が他社のコンポーネントの導入を含めて、再利用方式を確立しつつある時期といい、「今後は企業をまたぐ再利用へ発展する」と述べた。自社製コンポーネントの外販や他社製コンポーネントの導入も活発になり、「有力コンポーネントを所有する企業が、ベンダやSIの壁を超えて、システム構築に参加するケースが増加するだろう」と予測した。
EJBコンポーネントの流通拡大には、技術者のスキル育成が大きな課題となる。岸上氏は「まずはコンポーネントを使える人を育成するのが重要」と訴える。「必要なスキルセットは共通化が可能な部分が多い。技術者は広く浅くよりは得意分野が明確な方が活躍の場が多い」という。また、岸上氏は「SIerとしては早急にスキルセット確立の必要性を感じる」としたうえで、「何らかのモノサシがあってもいい」と述べて、資格試験などが必要との考えを示した。
(垣内郁栄)
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