「J2EEオープンソース研究会」が発足、EJB流通の拡大狙う
2003/12/20
「EJBコンポーネントに関するコンソーシアム」は、2000年10月6日に設立された非営利団体だ。EJBによるソフトウェア部品の企業内・企業間での再利用・流通を促進することが目的であり、3年間にわたってさまざまな活動を行ってきた。同コンソーシアムは、2003年10月、活動期間を2年(2期)延長することを正式に決定している。
日立製作所 ソフトウェア事業部 ネットワークソフトウェア本部 小川秀樹氏 |
これまでの成果と市場の動向について、同コンソーシアムで「J2EEフォーラム」の開催を担当する日立製作所 ソフトウェア事業部 ネットワークソフトウェア本部 小川秀樹氏は「J2EEパフォーマンスチューニングなど、部会で研究してきた内容がWebサイトからのダウンロードという形で、多くの開発者に利用されている。しかし、肝心のソフトウェア部品の流通では成果が実態として現れていない」と話す。その要因の1つとして小川氏は「流通の前に立ちはだかる課題もあるが、J2EE開発に参加している人々の数がまだ足りない」と語る。
同コンソーシアムでは、これまで活動の中心をソフトウェア部品としてEJBを流通させるためのさまざまな規約作成に置いてきた。今後も再利用のための研究は、再利用を前提とした開発方法論の実証を行う「再利用ベストプラクティス研究会」を新設するなどして行っていくが「今後はJ2EE開発のすそ野をさらに広げる活動も行っていく」(小川氏)という。具体的には「J2EEオープンソース研究会」を立ち上げ、コンソーシアムの会員に対して、J2EEを構成する技術のノウハウ習得を促進する活動を行う。この目的について「従来J2EEは商用製品がなければ一通りのことを行うことができず、敷居が高かった。しかし、JBOSSなどの登場で、オープンソースのみでJ2EE開発を行うことが可能になった。オープンソースで、新しいJ2EE開発者の取り込みと、開発者のスキルの底上げを図りたい」(小川氏)という狙いがある。オープンソース研究会は、会員向けにオープンソースでJ2EE開発を行うための教材とサンプルコードなどを提供する。
「J2EE開発者のスキルの底上げを図ったうえで、まずは企業間ではなく、企業内でのソフトウェア部品の再利用のノウハウを提供していく」(小川氏)というのが、今後同コンソーシアムが向かう方向性である。また、同コンソーシアムの研究成果は、前出の「J2EEフォーラム」で会員以外の開発者にも提供していくという。
「J2EEフォーラムでは、EJB流通のための各社の取り組みや最新事例を紹介するほか、開発の現場の生々しい情報もパネルディスカッションなどで提供することで、開発者同士の情報交換を活発に行いたい」(小川氏)としている。
(ナレッジリンク 宮下知起)
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EJBコンポーネントに関するコンソーシアム
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