「シスコを上回る競争力」、HPが新WANルータを発表

2005/3/16

 日本ヒューレット・パッカードは3月15日、WANルータの新シリーズ「ProCurve(プロカーブ) Secure Router 7000dl」(7000dlシリーズ)と、LANスイッチ製品「プロカーブ スイッチ 5300xl」(5300xlシリーズ)用のアクセス・コントロール・モジュールを4月1日に発売すると発表した。

 HPのWAN側ルータ製品の第1弾となる7000dlシリーズは、DoS攻撃を防ぐステートフル・ファイアウォール機能、アクセス・コントロール・リスト(ACL)、VLANを提供。オプションでIPSec VPN機能があり、社外からのリモート接続もサポートする。

米HPのプロカーブネットワーキングビジネス アジア太平洋および日本市場担当 バイス・プレジデント兼ゼネラル・マネージャーのルイス・オー・コクリョン氏

 7000dlシリーズは2つのモデルがある。いずれもモジュラーWANインターフェイス・カードをサポートする2つのスロットを備える。最大4つのT1/E1接続に対応する小規模なオフィス向けの7102dlは25万2000円。最大12のT1/E1接続に対応する中規模のオフィス向けの7203dlは、50万4000円。

 米HPのプロカーブネットワーキングビジネス アジア太平洋および日本市場担当 バイス・プレジデント兼ゼネラル・マネージャーのルイス・オー・コクリョン(Louis Au Kwok-Leung)氏は、WANルータ市場について「シスコが多くの顧客を獲得しているが、7000dlシリーズはシスコの同等クラス製品と比べてVPNやルーティングのスループットパフォーマンスで競争力がある」と自信を見せた。コクリョン氏はまた、「7000dlシリーズはシスコのルータとの互換性も提供しているため、シスコ製品のユーザー企業のブランチオフィスにも導入できる」と述べた。

 5300xlシリーズ用アクセス・コントロール・モジュールは、5300xlシリーズのワイヤレス・セキュリティを強化するためのIDベースのユーザー・アクセス管理や安全なモバイルアクセス・ローミング機能、Webベースの認証や帯域コントロール、接続の管理機能を備える。価格は81万9000円。

 アクセス・コントロール・モジュールの特徴は、ウイルスやワームの拡散を制御するHP独自のソフトウェア機能「Virus Throttle」(ウイルス・スロットル)。LANに入ったり、スイッチを通過したりする通信パケットが、管理者が設定するTCPやICMPパケット数のしきい値を超えた場合、IPアドレスごとにアクセスを絞り込むことができ、LAN内のワームの2次感染を防ぐという。

 コクリョン氏は、「今回発表した新製品は、われわれが提唱するエタープライズ・ネットワーク・アーキテクチャ『プロカーブ アダプティブ・エッジ・アーキテクチャ』の理想に基づいている。拠点を複数持つ企業の真の意味でのエッジからエッジへの接続、安全なワイヤレス接続を可能にするソリューションである」と語った。

(@IT 富嶋典子)

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日本HPの発表資料

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