IBMがお勧め、システム仮想化「はじめの3歩」

2005/3/18

 米IBMのVirtualization Solutions担当 バイスプレジデント ナイジェル・デッソー(Nigel Dessau)氏は3月17日、プレス向けセミナーで講演し、サーバやストレージなど情報システムを仮想化するための「はじめの3歩」を紹介した。デッソー氏は情報システムの運用管理コストを削減するにはシステムのシンプル化が欠かせないと主張。「IBMはシステムのシンプル化には仮想化の技術が必要と考えている」と述べた。

米IBMのVirtualization Solutions担当 バイスプレジデント ナイジェル・デッソー氏

 「はじめの3歩」の1歩目は、仮想化戦略を定義すること。仮想化は同種のサーバやストレージを統合してリソースを仮想化する段階から、異機種混在環境でのシステム仮想化、企業をまたがるリソースの仮想化までさまざまな段階がある。仮想化戦略の定義とは、その企業がどの段階まで仮想化を進めるかを決めることを指す。

 2歩目は、実際に「IBM Virtualization Engine」ソフトウェアを導入し、パイロット的にシステムの仮想化を行うこと。そして3歩目は、ビジネスの優先順位に合わせて仮想化したシステムを本番環境に移し、リソース管理の自動化を実現することを指す。

 デッソー氏が示した「はじめの3歩」は、IBMが考える仮想化の各段階で、第1段階に当たる。第1段階は同一ベンダ、同一アーキテクチャ内でのリソースの仮想化。そして第2段階は、異機種混在環境での仮想化となる。第3段階は企業の全社規模での仮想化。第4段階は企業のパートナーや顧客、外部リソースを含めた仮想化で、企業はビジネス戦略に合わせて仮想化の各段階を進むことになる。

 デッソー氏は「市場の90%の企業はまだ第1段階にとどまっている」と指摘。その理由として「メインフレーム以外の世界では仮想化は新しい考え方だ。また部門が縦割りになっているなど企業内や社風の問題がある」と述べた。デッソー氏によると第2段階以上に進んでいる企業は全体の10%程度だが、「IT環境をシンプル化することの重要性が業界に広まり、今後1〜2年でその割合は25〜30%に増えることを期待している」と述べた。

(@IT 垣内郁栄)

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