PDFにタイムスタンプを添付、アドビとPFUがe-文書法で協業
2005/3/23
アドビシステムズとPFUは3月22日、文書の電子保存を認める「e-文書法」の対応で協業すると発表した。PFUが文書にタイムスタンプを添付する「Adobe Acrobat 7.0」用のプラグインを開発し、無償でダウンロードできるようにする。両社はイベントでの展示などe-文書法対応製品の販売促進でも協力する。
PFUの代表取締役社長 広瀬勇二氏(左)とアドビシステムズのマーケティング本部 本部長 沢昭彦氏 |
e-文書法はこれまで紙での保存が義務付けられていた企業の財務文書などをスキャンして電子保存することを認める法律。4月1日に施行される。e-文書法に求められる電子文書の要件は各省庁が業界別のガイドラインとして作成し、順次公開している。要件の基本はスキャンした電子文書がいつでも、どのようなデバイスでも読める「可視性」と、その文書がオリジナルであることを証明する「真実性」。
PFUの代表取締役社長 広瀬勇二氏はPDFについて「将来にわたり高い互換性のあるファイル形式である」と指摘し、e-文書法の可視性を満たすと評価。加えてPFUが提供するタイムスタンプサービスを組み合わせることで真実性を満たすと説明し、「この2つを組み合わせて安全な電子文書を作ることが両社の提携の意味」と述べた。
PFUが無償提供するAcrobatのプラグイン「PFU タイムスタンプ for Adobe Acrobat」を使うことで、「Adobe Acrobat 7.0 Standard/Professional 日本語版」から簡単に国際標準準拠(RFC3161)のタイムスタンプをPDF文書に添付できる。具体的には、Acrobat上でタイムスタンプ添付のリクエストを出すと、ハッシュ値に基づく要約データがインターネットを介してPFUのタイムスタンプ局に送信。タイムスタンプ局からタイムスタンプが返信され、PDF文書に添付される。タイムスタンプが添付されたPDF文書は、タイムスタンプを示すアイコンが表示され、Acrobatや「Adobe Reader 7.0 日本語版」を使って、PDF文書が作成された時刻を確認できる。
PFUは2004年9月にタイムスタンプのサービスを開始。当初は独自のクライアントツールを使って文書にタイムスタンプを添付する仕組みだったが、Acrobat対応のプラグインを無償配布することで、すそ野の拡大を期待している。プラグインはPFUのWebサイト「PFU タイムスタンプサービス」で配布。ツール自体は無償だが、タイムスタンプを発行するには別にライセンス料が必要。1000スタンプ発行のライセンスで1万円(税抜き)、1万スタンプ発行で10万円などとなっている。
PFUは2005年度に電子文書関連で70億円の売り上げを見込む。そのうちタイムスタンプからは10億円の売り上げを目指す。初年度、1億件のスタンプ発行が目標だ。
(@IT 垣内郁栄)
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アドビシステムズの発表資料
PFUの発表資料
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