「インパクト、ペインなし」、クエストがNotes移行事業を本格化

2005/4/28

 米クエスト・ソフトウェアの日本法人は国内で電子メールのマイグレーション事業を本格化させる。すでに展開しているExchange Serverの旧版から新版へのマイグレーションに加えて、NotesからExchange Serverへのマイグレーション事業を米本社が2005年1月に買収した米Wingra Technologyのツールを使って積極展開する。米クエストによると国内のNotesユーザーは1000万で、マイグレーションへの大きな需要があると判断した。

米クエスト・ソフトウェア 社長 ダグ・ガーン氏

 Exchange Server 5.5から2000、2003へのマイグレーションについては国内でもすでに実績がある。「日本では某自動車メーカーの4万人のExchangeユーザーをマイグレーションした」(米クエスト 社長 ダグ・ガーン[Doug Garn]氏)。クエストのマイグレーションはツール「Exchange Migration Wizard」を利用する。このツールの特徴は、Exchange Server 5.5と2003の環境を共存させ、データを同期しながら移行できる点。5.5を1度停止してから2003を立ち上げるなど業務を停止する必要がなく、段階的なアプローチで新しい環境に移ることができる。「ほとんどインパクトがない。ユーザーのペインがまったくない」(クエスト・ソフトウェア 代表取締役社長 ロバート E. プリギ[Robert E. Prigge]氏)。

 上記の自動車メーカーのケースでは当初はシステムを1週間停止してExchange Serverを移行することを計画していた。しかし、システムを止めると業務への影響があまりに大きいと判断。システムを止めずに移行できるExchange Migration Wizardを利用した。実際の移行には3〜4カ月程度をかけ、5.5と2003の環境を同期させながら段階的に移していった。ガーン氏によると、同社が行った最大のExchangeマイグレーションは、米国防総省のケースで100万ユーザー規模だったという。クエストは2004年だけで1500万のユーザーをマイグレーションした。

 クエストが国内で本格化させるNotesのマイグレーションも「インパクト、ペインがない」ことを重視する。クエストが買収したWingraのツール「Notes Migration for Exchange」は、Notesメールの完全性を保ったままでExchange Serverへマイグレーション可能。マイグレーションされたメールからの返信や添付ファイルの確認など従来の環境を引き継ぐことができる。カレンダーやタスクリスト、パーソナルアドレスブックなども完全な形でExchange ServerとOutlookに移行できるという。「マイグレーション中には、Notesのデータにはまったくタッチしない。そのためソースデータの安全性を確保できる」(ガーン氏)。

(@IT 垣内郁栄)

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