ミドルウェアは部品化してパッケージし直す、IBM

2005/5/18

日本IBM 執行役員 ソフトウェア事業部長 三浦浩氏

 米IBMは5月16日(現地時間)、ITプロセスの設計と統合を自動化するツール群「ITサービス・マネージメント・ソリューション」を発表した。この製品群の基本的な考え方は、企業が組織横断的に業務プロセスをIT化する際、それらのプロセスをIBMのサービスやソフトウェアに変換したうえで統合化を自動化できるようにするということ。具体的なソフトウェア製品は、IBM5ブランドのミドルウェアをサービス指向という観点でパッケージ化したものだ。米国・カナダ・欧州の研究所が開発した。

 IBMのソフトウェア事業は、RationalやLotus、WebSphere、DB2、Tivoliの5ブランドのミドルウェアを部品化し、サービスと組み合わせて提供する形態にシフトしている。今回発表した「ITサービス・マネージメント・ソリューション」はその成果の1つといえる。例えば、同ソリューションを構成する「IBM Tivoli Process Managers」は、Tivoliの技術要素をプロセス管理の自動化という観点から再構成したものである。

 ミドルウェアを部品化するメリットは、「ポータル/コラボレーション」「コンテンツ管理」「セキュリティ」「情報統合」「ワイヤレス」といったいわゆるインフラストラクチャ・ソリューションごとにサービスを提供できる点にある。製品あるいはブランドごとの縦割り構造では、顧客のニーズに対応するのは難しいという背景が同社のソフトウェア事業の在り方からうかがえる。

 ミドルウェアの部品化はさらに、特定業種別のサービス展開を行ううえでも有効となる。日本IBMでは業種(銀行、金融、官公庁、小売など)に特化したISV向けプログラムを展開し、全国的に販路の拡大を推進している。2005年にはIBMのミドルウェアに対応したISV製品を600製品まで増やす予定である。

 これらの動きと並行して同社は、全社的に蓄積されたスタッフのスキルや経験値を資産(アセット)と規定し、これらのアセットを基盤にしてコンサルテーションからミドルウェア製品の販売、サービスの提供までを部門横断的なチームで提案できる「SOAプロモーション・オフィス」を設置した。

(@IT 谷古宇浩司)

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