エンタープライズ事業の戦略的施設設置、日本HP
2005/5/24
日本ヒューレット・パッカード(HP)は5月23日、市ヶ谷事業所内にエンタープライズ事業の戦略的な施設として同社が位置付ける「アダプティブ・エンタープライズ・エクスペリエンス・センター」を設立したと発表した。オープンは6月6日。
日本HP テクニカルセールスサポート統括本部 シェアードサービス本部 アダプティブ・エンタープライズ エバンジェリスト 村井修造氏 |
このセンターは顧客企業に対し、同社が提唱する“アダプティブ・エンタープライズ”の具体的なシステム構築例をデモンストレーションを交えて紹介する施設である。ここでいうアダプティブ・エンタープライズとは、サーバやストレージ、ネットワークといったIT資産を状況に応じて柔軟に調整でき、なおかつ、障害を自動的に復旧するようなシステム環境を指す。
HPでは、アダプティブ・エンタープライズを技術的に可能とするため、ビジネス・プロセスや情報(データ)、アプリケーション、インフラストラクチャといったITシステム全体を構成する階層を水平統合による疎結合のレイヤ構造として構築し、これらの階層を一括して管理、制御するというようにシステム全体を設計する青写真を設定した。この青写真は“HPダーウィン参照アーキテクチャ”と呼ばれている。今回、同施設が顧客に示すのはHPダーウィン参照アーキテクチャのインフラストラクチャ部分である。
記者会見で示されたデモンストレーションでは、架空の電子商取引サイトが予想外のアクセスで運用不可に陥るまでのシナリオを採用していた。このような状況において、同社が示す解決策こそアダプティブ・エンタープライズ概念に基づいて構築されるシステム基盤である。サーバやストレージ、ネットワーク、ソフトウェアといったシステム全体の構成要素であるIT資産を仮想化し、リソースプールに一括して格納しながら、アクセス数の増減に応じて、サーバを増強したり、ストレージを追加できたりする。手動でも可能だが、自動化することももちろんできる。
従来型のいわゆる“個別(部分)最適”“垂直統合型”のアーキテクチャでは、構造的に仮想化技術の恩恵を受けることはできない。しかし、“全体最適”“水平統合”という言葉だけのイメージで、その恩恵を顧客に伝えるのも難しい。同社は、顧客にデモンストレーションを通じて、全体的に最適化されたシステム構築の例を紹介することで、システム構築需要の増加につなげたい考えだ。
(@IT 谷古宇浩司)
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