「最重要製品の位置付け」、HP 新ブレード戦略の中身は
2005/1/18
日本ヒューレット・パッカード(HP)はブレードサーバと統合管理ソフトウェア、導入支援サービス、新しい従量課金制度などを組み合わせた新しいサーバブランド「HP BladeSystem」の販売を本格展開すると1月17日に発表した。HPの中でブレードサーバの位置付けを「1ランク引き上げる」新戦略で、HPでは「2005年度にブレードサーバで30%の国内市場シェア(台数ベース)獲得を目指す」としている。HPによると2004年第3四半期の国内市場シェアは22.6%で、2位のポジション。
日本HPのエンタープライズ ストレージ・サーバ統括本部 インダストリースタンダードサーバ製品本部 本部長 上原宏氏 |
HPのエンタープライズ ストレージ・サーバ統括本部 インダストリースタンダードサーバ製品本部 本部長 上原宏氏は「x86サーバが頭打ちの中、ブレードサーバは抜群の成長が予測されている」として「HPはブレードサーバを今年の最重要製品と位置付けている」と強調した。ブレードサーバはハイパフォーマンス・コンピューティング(HPC)など主に科学技術計算の分野で導入が進んできた。ブレードサーバをさらに伸ばすにはビジネス・アプリケーションなどラック型サーバが担ってきた分野への進出が不可欠というのがHPの考えだ。
HPはブレードサーバの新分野への進出とシェア拡大のために、サーバ周りのテクノロジ、サービスを拡充した。テクノロジのキーワードは4つ。システムを柔軟に拡張できる「モジュール化」、多数のブレードサーバや仮想OSを管理する「統合管理環境」、システムの稼働率を向上させる「仮想化」、IT部門の業務を効率化する「自動化」だ。統合管理環境では、複数のブレードサーバを統合管理できるソフトウェア「HP Systems Insight Manager」(HP SIM)の最新版4.2をリリースした。1つのコンソールですべてのブレードサーバが管理可能になる。
仮想化の強化では、ヴイエムウェアとマイクロソフトのサーバ仮想化ソフトウェア「VMware GSX/ESX」「Microsoft Virtual Server」に対応させた。また、HP SIMのプラグイン「HP ProLiant Essentials:Virtual Machine Management Pack」を開発し、異機種が混在する中での仮想化サーバの管理を強化した。自動化では、ブレードサーバの基本的なインフラ設定、管理を自動化し、リソースの最適な割り当てや障害の自動復旧を実現するHP SIMのプラグイン「HP ProLiant Essentials:Automation Control Pack」を2005年上半期に出荷する予定となっている。
HPはブレードサーバで狙う新分野として既存のHPCに加えて、商用OSからLinuxへのマイグレーション、サーバ統合、ビジネス・アプリケーションなどを挙げた。さまざまな分野でブレードサーバが使われるようにするには課金制度の変更も必要との考えで、2月中には新しい従量課金制度をスタートさせる予定。業務のピーク時を想定してスタンバイ用のブレードサーバをシャーシに搭載しておき、必要なときにだけ電源を入れて課金する制度を検討している。
(@IT 垣内郁栄)
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日本ヒューレット・パッカードの発表資料
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