“フォーカスと実践”が勝ち組の条件、ジュニパー会長
2005/6/8
ジュニパーネットワークスは6月7日(現地時間)、タイの首都バンコクで報道関係者向けの説明会を開催。同社の世界戦略を会長兼CEO スコット・クレンズ(Scott Kreins)氏が語った。
クレンズ氏はまず、「昨今のビジネスサイクルは短期化しており、それに対応するのが企業の課題だ」と分析。この課題をグローバル規模で解決するのは、もはや1社による努力では難しいと説明した。従ってジュニパーでは、業界内の連携を重視し、複数社のリソースを仮想的にまとめて提供する戦略を選択したという。この戦略は、同社の新しいアーキテクチャ「エンタープライズインフラネット」に生かされている。
ジュニパーネットワークスの会長兼CEO スコット・クレンズ氏 |
クレンズ氏は次に、同氏の考えるネットワークの構成を解説した。第1のセグメントにはユーザーの携帯電話やノートPCといったデバイスが存在する。こういったデバイスは、ネットワークに接続してトラフィックを送信し、そのリターンとして情報を受け取っている。このユーザーから送信されるトラフィックの処理が、ジュニパーにとってのコアなビジネス領域だ。また、トラフィックはサーバに到達した時点でアプリケーション処理という作業に変換される。昨今のユーザーニーズに応えるためには、「このトラフィック処理とアプリケーション処理を迅速に行わなければならない」とクレンズ氏は指摘したうえで、ジュニパーの目標や義務を「トラフィックとアプリケーション処理をできるベストなベンダとなることだ」と位置付けた。
またクレンズ氏は、「ネットワークセキュリティもジュニパーが基本として考える問題となってきた」とコメント。特に昨今のセキュリティ問題では攻撃が複雑化、インテリジェント化していることから、従来より高いセキュリティが求められている。このような「トラフィック処理を守る」という視点からもセキュリティの重要性が増してネットスクリーンの買収に至ったという。
さらに、2004年にエンタープライズ市場へ参入したことに対しては、「基本的にキャリア市場とエンタープライズ市場は『ミッションクリティカルである』という点においてマーケットは似通っている。特にネットワークを重視する企業は、当社の製品を選択する」とコメント。コアルータ市場で、過去6年間でシェア0%から30%に成長した実績を挙げ、「ジュニパーの『お客さまにフォーカスする』という戦略が市場に受け入れられている証拠だ。このポリシーを今後も守り通し、エンタープライズ市場でもシェアを拡大していきたい」と今後の抱負を語った。
SSL-VPNのOSアップデートで3つの問題を解決
ジュニパーネットワークス日本法人は6月7日、SSL-VPNアプライアンス「NetScreen Secure Access」と「NetScreen Remote Access」シリーズに搭載しているソフトウェア「IVE」のバージョンを、4.0から5.0にバージョンアップしたと発表した。
IVE5.0は、SSL-VPNトンネル機能におけるネットワーク接続の「低パフォーマンス」「アクセスログ管理」「プラットフォーム限定」の3つの問題点を解決したという。SSL-VPNがIPSec-VPNと比べてパフォーマンスが低い問題は、アクセス方法を優先モードのIPSec/ESP(UDP encapsulation)と、代替モードのSSL-VPNの2モードから選べるようにすることで、優先時のアクセスのパフォーマンスを向上させた。
アクセス管理の問題とは、ほとんどのSSL-VPN製品がトンネルへ接続したときと切断したときのアクセスログしか保存できないことを指す。IVE5.0は、接続後のユーザーのアクセスログを保存できるようにして、この問題を解決したという。
また、旧バージョンでは、Windowsプラットフォームのみをサポートしていたが、IVE5.0はMac OS 10.4やSolaris 8、9をサポート。PocketPCやFireFoxのWebブラウザにも対応した。
(@IT 大津心、富嶋典子)
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