富士通が電子カルテ拡充、最短3カ月導入の製品も
2005/7/5
富士通は電子カルテシステムのラインアップを拡充し、ヘルスケア事業を強化する。電子カルテの新製品2種を7月4日に発表し、医療機関間のネットワーク対応や運用管理コストの低減、スモールスタートなど医療機関のニーズにこたえる。
富士通の経営執行役 ヘルスケアソリューション事業本部長 石田清信氏 |
富士通の経営執行役 ヘルスケアソリューション事業本部長 石田清信氏によると、富士通の医療IT事業は2004年度に約600億円の売り上げで、2005年度は700億円を見込む。「ここ3年は2ケタの伸張。医療ITとその周辺分野で今後3年間に合計5000億円を売り上げたい」(石田氏)とした。
医療専門誌「新医療」の調査によると、電子カルテシステムの導入で富士通はトップシェアを獲得しているという。2005年は全国504の病院のうち、184の病院に導入し、シェアは36%。ソフトウェアサービスやCSI、NECなどの2位グループに差をつけている。富士通は、「2000年以降、電子カルテのパッケージ化を進めてきた」(同社 ヘルスケアソリューション事業本部 副本部長 山路雄一氏)ことで他社に先駆けて導入が進んだと分析している。
富士通が発表したのは、300床以上の大規模病院をターゲットにした電子カルテシステム「HOPE/EGMAIN-EX WebEdition」と、50〜150床の中小規模病院を対象にした電子カルテシステム「HOPE/EGMAIN-NX」。HOPE/EGMAIN-EX WebEditionは、クライアントにWebブラウザを使用し、メンテナンスコストや医師へのトレーニングコストを低減したのが特徴。JSP/Servletを採用し、動的なページ生成でスムーズなインターフェイスを実現したという。また、XMLをサポートし、ほかのシステムとの情報共有を容易にした。
HOPE/EGMAIN-NXは初期導入コストを抑えて、スモールスタートしたい中小規模病院のニーズにこたえたパッケージ製品。検査や処方箋など医師の指示をほかの部門に伝えるオーダリングシステムを基本に、看護支援、電子カルテと段階的にパッケージを追加可能だという。ノンカスタマイズの導入ができ、構築期間はオーダリングシステムだけの場合で3カ月、電子カルテを含むフルシステムの場合は6カ月。
HOPE/EGMAIN-EX WebEditionは1億2000万円から。3年間で50システムの導入、150億円の売り上げを目指す。HOPE/EGMAIN-NXは6000万円から。3年間で200システムを販売し、売上100億円が目標。
(@IT 垣内郁栄)
[関連リンク]
富士通の発表資料(HOPE/EGMAIN-EX WebEdition)
富士通の発表資料(HOPE/EGMAIN-NX)
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