これからの接客はWebブラウザ上でするのが常識?

2005/7/5

 システム開発会社のMVPは7月4日、Webブラウザで接客できる営業支援システム「SynchroShop」の販売を開始すると発表した。このシステムをオンラインショップが導入すると、ユーザーがオンラインショッピングをする際に、ショップの説明員がユーザーのWebブラウザ上の画面を“シンクロ”させながら接客できるようになる。

MVP 代表取締役社長 川北潤氏
  MVPは2004年1月にシンクロブラウザを開発し、その後も改良を加えてきた。シンクロブラウザは2つのPCのWebブラウザをP2P接続し、動作を同期させるツール。Internet Explorerにシンクロブラウザのプラグインをダウンロードするだけで利用できる。通常のリモートアクセスツールと異なり、Webブラウザのキャッシュを同期させるだけなので、特定のポートやNATの変更などは必要ないのが特徴だ。プロトコルはHTTPを利用する。

 各ISPのゲートウェイ部分にMVPが設置した「HTTPルータ」でアカウントを管理する。企業で利用する場合には、企業のゲートウェイ部分にHTTPルータを設置する必要がある。シンクロブラウザ同士をシンクロさせると、ユーザーAのWebブラウザの画面とユーザーBの画面を同期させることができるほか、ユーザーAがWebブラウザ上に書き込んだ文字や絵などもBとシンクロさせることができる。

 SynchroShopは、シンクロブラウザを利用しているユーザーがオンラインショップを訪れた際に特定のボタンを押すと、あらかじめ待機していたショップ店員が自分のWebブラウザの画面とユーザーの画面を同期させて商品説明をするというもの。ただし、ショップ側はあらかじめSynchroShopをサーバにインストールしておく必要がある。通常のオンラインショッピングサイトはセルフサービスであるため、商品説明が複雑な商品には向いていなかった。しかし、このサービスを利用することでリアル店舗に近い説明が可能になるとしている。

 SynchroShop店舗において、ユーザーが『相談ボタン』を押すと、説明員とユーザーの画面をシンクロさせることができる。説明員はWebブラウザを操作して画面誘導したり、文字や絵を書いて商品説明をすることが可能だ。ただし、セキュリティの一環として、「説明員が商品購入ボタンを押せない」などの処置は施されているという。

 MVP 代表取締役社長 川北潤氏は、「Webブラウザは世界中に10億以上インストールされているツールだ。当社の製品はWebブラウザをコミュニケーションツールに変身させることができる。このツールによって、味気なくなりがちだったオンラインショッピングサイトをコミュニケーションのある温かみを感じられるサイトに変えることができるだろう」と自信を見せた。

(@IT 大津心)

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