IBM、Notes/Dominoをラップする新コラボレーション製品

2005/7/14

 日本IBMは、社内の組織にとらわれない柔軟なチームで情報共有やコミュニケーションを行える新製品「IBM Workplace Services Express 2.5」(以下WSE)を8月26日に販売開始すると発表した。Webブラウザから利用でき、文書共有、電子会議、インスタントメッセージング、ポータル機能などが統合されている。サーバへのインストールも「1時間でできる。IBMの中でこんな簡単なミドルウェアはないはず」(同社 ロータス事業部長 澤田千尋氏)と、容易に導入できる点をアピールした。

日本IBM ロータス事業部長 澤田千尋氏

 文書共有や電子会議などのWSEが備えるコラボレーション機能は、Notes/Dominoが提供してきた機能に非常に近い。というのも、WSEのコラボレーション機能は、JavaによりWebSphere上でDominoの機能をほぼ再構築したものだといえるからだ(関連記事「Notesはなくなる? Dominoの将来は? IBMの本音を読む」)。その上で、WebSphere Portalのポータル機能を利用して各機能を統合している。また、WSEはDominoとのコネクタを備えており、WSE経由ならWebブラウザからDominoの機能を利用できる。「WSEはNotes/Dominoをラップする」(澤田氏)。

 一見すると、Notes/Dominoの製品ラインから、WebSphereベースの製品への切り替えが始まったように見える。

 同社はWSEとNotes/Dominoの関係に関して、「Notes/DominoからWSEへのマイグレーションなどは考えていない。両者は補完関係にある」としている。具体的には、中堅企業以下に対してはWSEとソリューションの販売を、大企業に対してはNotes/DominoとWebSphere Portalを連携させたソリューションの販売を進めていくとした。「Notes/Dominoはアプリケーションプラットフォームとして続いていく。Webアプリケーションとの連携にはWSEが使える」(澤田氏)

 IBMはWSEの販売促進のために、ISVによるWSEのポータル機能に対応したアプリケーション開発に力を入れる。サードパーティのアプリケーションがNotes/Dominoの普及を後押ししたのと同じように、ポートレットアプリケーションの充実でWSEが普及することを狙っている。

(@IT 新野淳一)

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日本IBMの発表資料

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