ヤフー社長に聞く「エンジニアにとってヤフーは働きやすい?」

2005/9/10

 「エンジニアにとってヤフーは働きやすい職場ですか?」「働きやすいと思うよ」。ヤフーの代表取締役社長 井上雅博氏はこう即答した。「信じられないかもしれないけど、ぼくもエンジニア出身。かつてはプログラムをゴリゴリ書いていた。エンジニアとして何がつまらないかは知っている」

ヤフーの代表取締役社長 井上雅博氏

 国内最大のポータルサイト、Yahoo! JAPANを運営するヤフーの社員は2000人。うちエンジニアは800人で4割を占める。井上氏は「仕様だけを決めて外注に投げるのは面白くない」と感じていて、新規サービスの開発は基本的に社内で行っている。エンジニアはサービスのプロジェクト単位で動くことが多いという。プロデューサーや企画、マーケティングなど社内のさまざまな部署の担当者とプロジェクトを組み、「チームの一員として、ワイワイやりながらサービス作りに加わる」という。

 多くの企業と同様に、ヤフーが力を入れているのは優秀なエンジニアの確保だ。井上氏はエンジニアを確保し、継続的に働いてもらうため、「日本も何かを考えてもよい」としている。井上氏の選択肢の1つとして上がるのは、米ヤフーの研究部門「Yahoo! Research Labs」の日本版。井上氏はエンジニアの気質を「技術的なチャレンジをどんどんしていく人と、自分が開発したサービスを大勢の人が使うことに喜びを感じる人がいる」と分類した。技術指向が強いエンジニアの拠り所として研究部門は意味があるだろう。井上氏は「米Yahoo! Research Labsの様子を見ながら考えたい」と述べた。

 ヤフーは10月、検索結果の表示方法をこれまでのカテゴリ中心の結果から、ロボット検索の「Yahoo!検索」を使ったキーワード検索の結果に切り替える。ヤフーが分類したカテゴリに基づくWebサイトではなく、キーワード検索をメインにすることで、ユーザーが望む情報にすぐにアクセスできるようにする。検索結果ページのタブをクリックすればカテゴリの検索結果も表示できる。カテゴリへの新規Webサイトの登録も続ける。

 井上氏は検索結果の変更について「1つの結果がすべての利用者にとって共通にベストということは難しくなってきている」と述べ、ヤフーのユーザー層の広がりが背景にあると説明した。井上氏は「今後の方向は、検索結果をパーソナライズ可能にするのが一番正しい」とも述べ、広がるユーザー層に対応するため技術開発を継続する姿勢を強調した。

(@IT 垣内郁栄)

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