オラクル次世代アプリのキーワードは「Business Insight」
2005/9/22
米オラクルのアプリケーション開発担当シニア・バイス・プレジデント ジョン・ウーキー(John Wookey)氏は9月20日(米国時間)、開催中の「Oracle OpenWorld」で講演し、オラクルやピープルソフト、JDエドワーズなど各社のアプリケーションを統合するプロジェクト「Project Fusion」について、顧客の業務や市場への深い洞察(Business Insight)と適応性のあるビジネスプロセス(Adaptive Processes)を中心テーマに開発する方針を説明した。
米オラクルのアプリケーション開発担当シニア・バイス・プレジデント ジョン・ウーキー氏 |
相次ぐ企業買収でオラクルは自社のERPパッケージ「Oracle E-Business Suite」のほかにピープルソフト製品、JDエドワーズ製品、リテック製品、シーベル製品など多数のアプリケーションを持つことになった。オラクルはこれらの製品から機能を抽出した統合製品「Fusion Application Suite」を2008年に提供開始する計画。オラクルが次世代アプリケーションと位置付けるFusion Application Suiteも、Business InsightとAdaptive Processesの2つのテーマの下に開発されるとみられる。
この2つのテーマは独立してアプリケーションに組み込まれるのではなく、「融合することで市場の動きに反応し、俊敏な対応を採る“Fusion Effect”(融合効果)」(ウーキー氏)を狙う。米オラクルが9月20日に発表した「PeopleSoft Enterprise CRM」向けのダッシュボード製品はこの融合効果を狙った製品。「Oracle Business Activity Monitoring」と連携し、経営状況の把握と分析、ビジネスプロセス管理をスムーズにつなぐことができる。
基調講演でダッシュボードのデモを行ったウーキー氏は「次世代アプリケーションはBusiness Insightを内部に埋め込むだけでなく、それを出発点にどうやってビジネスを展開するかを顧客に知らせないといけない」と述べ、ダッシュボードの重要性を主張、「Business Insightは複合的で一貫した情報をいかに提供できるかが鍵になる」と述べた。
米オラクルは、企業パフォーマンス管理(CPM)製品の強化も同日発表し、Business InsightとAdaptive Processesの考えをアプリケーションに組み込み、融合する姿勢を印象付けた。
(@IT 垣内郁栄)
[関連リンク]
米オラクルの発表資料(ダッシュボード)
米オラクルの発表資料(CPM)
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