サンCEO マクニーリ氏がiPodで聞く「時代は変わる」
2005/9/22
米サン・マイクロシステムズの会長兼CEO スコット・マクニーリ(Scott McNealy)氏は、9月12日に発表した新サーバで自信を取り戻したようだ。日本の会見では名物だった切れ味鋭い“毒舌”が少なかったようだが、開催中の「Oracle OpenWorld」で講演したマクニーリ氏の口からは、競合ベンダへの皮肉が聞けた。
米サン・マイクロシステムズの会長兼CEO スコット・マクニーリ氏 |
マクニーリ氏はAMD Opteronを搭載した新サーバ「Sun Fire x64」について、「ほかのIAサーバと比較するとパフォーマンスは1.5倍なのに、消費電力は3分の1。非常に興奮している。素晴らしい製品だ」とべた褒め。消費電力が少ないことを取り上げて、「世界のために、環境のためによいことをしましょう」とまで述べた。
マクニーリ氏はアップルコンピュータのiPodがお気に入りの様子。サンの最近の動向を「サンのiPodモーメントだ」としたうえで、UltraSPARC IV+を搭載した新サーバの発表や、量産に入ったという新プロセッサ「Niagara」(開発コード名)、「Solaris 10」、ストレージ・テクノロジーの買収などを次々と紹介した。
Solaris 10についてはダウンロード件数が260万に達し、そのうち3分の2がSPARCプラットフォーム以外と説明した。マクニーリ氏はライバルといえるLinux、特にRed Hat Linuxを取り上げて、Solaris 10がRed Hat Linuxと比較して保守コストなどで低価格なことを訴えた。
また、ミドルウェア群の「Java Enterprise System」については、シービヨンドの買収で「Integration Suite」製品を拡充したことを報告。「SOAやエンタープライズ・サービスバス、すべてのJavaのコンポジット・アプリケーションがこの中に入る」と説明した。Java Enterprise Systemは9月中にも顧客数がワールドワイドで100万人を突破するという。
マクニーリ氏が会場をわかしたのは講演の冒頭、「うわさがあるんだ」として大手ITベンダトップがiPodに保存している楽曲を紹介したときだ。もちろんジョークだが、米ヒューレット・パッカードのCEO マーク・ハード氏や、米IBMのCEO サミュエル・J・パルミサーノ氏、そしてオラクルのCEO ラリー・エリソン氏が好きそうな楽曲をリストアップした。
HPのCEOに今年就任したハード氏は「Don't Worry,Be Happy」「California Dreamin'」などの楽曲、パルミサーノ氏はSir Mix-A-Lotの「Baby's Got Back」を聞いているとマクニーリ氏は推測。Baby's Got Backは「I like big butts」という歌詞があり、巨大メインフレームを作り続けるIBMを皮肉った形だ。またエリソン氏が好きなのは「I like big」(Boats)、「Turnig Japan」「I'm too sexy」などの楽曲、とマクニーリ氏。エリソン氏のヨット好き、日本好きは有名だ。
そしてマクニーリ氏は自身のiPodの収録曲も公開。その楽曲はビートルズの「Here Comes The Sun」、ピンクフロイドの「Money」、クイーンの「We Will Rock You」、ボブ・ディランの「The Times They Are A-Changin'」(時代は変わる)などだった……。
(@IT 垣内郁栄)
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