サーバ統合に対するNECの回答「シグマグリッド」
2005/10/13
NECは10月12日、IAサーバやUNIXサーバ、ストレージを同一筐体内に格納した統合プラットフォーム製品「シグマグリッド」を発売した。フロントエンド、アプリケーションサーバ、データベースと三階層システムのサーバを1台に統合可能で、NECの執行役員常務 山本正彦氏は「サーバ統合の課題に対するNECの回答だ」と強調した。
NECの執行役員常務 山本正彦氏 |
シグマグリッドは、ラック部分の「シグマフレーム」と統合管理ミドルウェア「WebSAM SigmaSystemCenter」で構成。シグマフレームに格納できるのは、NECのサーバ「NX7700iシリーズ」「Express5800シリーズ」とストレージの「iStorageシリーズ」。NECの「UNIVERGE IP8800」やシスコシステムズ、ブロケードのネットワーク機器なども格納できる。HP-UX、Windows、Linuxを同一筐体内で稼働させられる。
シグマグリッドの特徴は、リソースのプロビジョニングと管理機能。ラック部分に搭載した「フローティングI/O」機能は、サーバのCPU部分と、ファイバチャネルなどのI/O部分を分離可能にし、利用する業務によって柔軟に構成を変更できるようにした。通常は複数のCPUで1つのI/Oを使用、データベースなど特定業務の負荷が高まった場合は、1つのCPUが1つのI/Oを占有するなどの使い方ができるという。
NECが発表した統合プラットフォーム製品「シグマグリッド」 |
フローティングI/Oは、WebSAM SigmaSystemCenterと連携させることができる。サーバやネットワーク、ストレージのリソースを仮想化し、負荷が高まっている業務に対して割り当てることが可能。昼間はクライアントPCの統合仮想環境をシグマグリッドで運用し、クライアントPCを使わない夜間は、業務アプリケーションへのリソースを増やしてバッチ処理をさせるなどの使い方もできる。
WebSAM SigmaSystemCenterはシグマグリッド内のハードウェア構成を自動で検出、監視できる。サーバとラック部分をケーブルを使わずにプラグイン接続する高速インターコネクト「シグマハイウェイ」も採用。NECではシグマグリッドの利用で、サーバの運用管理効率が向上し、サーバ統合しない場合と比較して25%のトータルコスト削減が可能であるとしている。
出荷は10月末を予定。価格はシグマフレームが100万円から、WebSAM SigmaSystemCenterは120万円(基本ライセンス)から。日立製作所もサーバやストレージ、ネットワーク機器を統合した「BladeSymphony」販売しているが、NECの山本氏は、フローティングI/Oやラック構成の自動検出などを挙げ、シグマグリッドの優位を強調した。NECは今後2年間で500システムの販売を目標にしている。
(@IT 垣内郁栄)
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NECの発表資料
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