「秘文」「RMS」連携で手を組むマイクロソフトと日立ソフト

2005/11/10

 マイクロソフトと日立ソフトウェアエンジニアリングは11月9日、両社製品を連携させた新製品の開発で協業したと発表した。日立ソフトは米マイクロソフトが組織するセキュリティパートナーのコミュニティ「The SecureIT Alliance」にも参加。セキュリティ製品の開発でマイクロソフトとの結びつきを強める考えだ。

 日立ソフトは協業の第一弾製品として、日立ソフトの情報漏えいソリューション「秘文」と、マイクロソフトの情報保護ソリューション「Windows Rights Management Services」(RMS)を連携させた新製品「Rights Core for 秘文」を販売開始した。ERPなどの業務アプリケーションから出力されたMicrosoft Office 2003のドキュメントに対して、暗号化や持ち出し禁止など管理者が定めたセキュリティポリシーを強制的に適用させることができる。

協業を発表した日立ソフトの執行役 加藤礼吉氏、マイクロソフト 執行役 常務 平井康文氏、日立ソフト 執行役 小川常昭氏(左から)

 RMSではドキュメントを作成したユーザー自身がポリシーを設定する必要があるが、Rights Core for 秘文を使えば、たとえドキュメントの作成者がポリシー設定を忘れても、管理者によって確実にポリシーを適用できる。

 Rights Core for 秘文はActive Directoryとも連携。アクセス権限の対象とするユーザーをActive Directoryで管理でき、ユーザーのアクセス権限を変更する場合はActive Directory内のメンバー変更だけでRMSに反映される。

 また、Rights Core for 秘文ではOfficeドキュメントに暗号化した形で権限情報を埋め込むことができる。ドキュメントの複製が作られても内容が参照できないという。さらにドキュメントを開くには権限のあるユーザーとしてActive Directoryにログオンする必要があるので、社外にドキュメントが流出しても第三者は閲覧できないとしている。両社は今後、ファイルサーバに保存してあるOfficeドキュメントのアクセスコントロール強化などでも協力していく。

 Rights Core for 秘文は通信や金融を中心に初年度30社への導入を目指す。

 日立ソフトはマイクロソフトのThe SecureIT Allianceに参加することでWindows OSの開発情報を早期に入手でき、製品連携を促進できることを期待している。販売面でも共同キャンペーン、プリセールスなどで協力する。

(@IT 垣内郁栄)

[関連リンク]
マイクロソフトの発表資料
日立ソフトの発表資料

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