NEC「WebSAM」がCMDB実装、ITILとの親和性高める

2005/11/12

 NECは11月11日、構成管理データベース「WebSAM CMDB」を核とする新しい運用管理基盤「WebSAMフレームワーク」を発表した。同社の運用管理製品群「WebSAM」を刷新し、WebSAMフレームワークをベースにした「WebSAM Ver.6」を2006年2月から順次提供する。NECはWebSAM製品群のフレームワーク対応を進めて、数十製品あるWebSAMの製品群を2006年度上期中にも20〜30製品に集約する考えだ。

NEC ミドルウェア事業部長 池田治巳氏

 WebSAM CMDBはITILで定義される構成情報(Configuration Item:CI)に加えて、WebSAM製品群が収集するサーバやネットワーク、アプリケーションなどの稼働情報、性能情報、障害情報などを格納できるデータベース。「運用管理情報の一元化によって全体状況の把握や変更管理を正確かつ、効果的に実施でき、システムのメンテナンスビリティを向上させる」(NEC ミドルウェア事業部長 池田治巳氏)。

 WebSAM CMDBはNECのITIL関連製品で、ITサービス管理を行う「WebSAM ServiceDesk」やIT資産管理の「WebSAM AssetSuite」と連携し、構成管理情報の収集や管理を自動化させることもできる。NECでは「ITILプロセス運用の負担を軽減する」としている。

 WebSAM CMDBが情報を収集できるのはWebSAM Ver.6の製品群のほか、Oracle DatabaseやSAPアプリケーション、BEA WebLogic、HP OpenView、日立製作所のJP1、Microsoft Operations Managerなど。2006年度にはIBM TivoliやSun Management Center、富士通のSystemwalkerなどにも対応を広げる。

 NECはWebSAMフレームワークをベースにしたWebSAM Ver.6の新製品として、「WebSAM MCOperaitons」「WebSAM System Navigator」など7製品を発表した。それぞれ2006年2月以降に出荷する。これらの製品はフレームワークを共通化しているため、システム全体の統合管理が容易になる。池田氏はフレームワーク適用の狙いを「各システムの運用管理情報を一元管理することで、経営視点での運用管理が可能になる」と説明した。

 NECはWebSAMのITIL対応を進める考えだ。ITILの「サービスデリバリ」に対応した製品も拡充する計画。池田氏は「WebSAMはITILと親和性のあるつくりになる」と述べた。

 また、WebSAM製品群の整理・統合も2006年度上期中に行う。池田氏は「さまざまな歴史的経緯からWebSAM製品群は数十種類あり、製品間の操作性の違いなどで指摘を受けることもある」と説明。「今後も積極的に強化する製品はWebSAMフレームワークへの対応を進めて、操作性などで統合感を出していく」と述べた。利用が少ない製品はラインアップから外し、2006年度上期中には20〜30製品に整理する予定だ。

(@IT 垣内郁栄)

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