“パワポを7980円で発売”、マイクロソフトの意図は?

2005/11/22

 マイクロソフトは11月21日、通常版と同じ機能で、1年間の使用期限を設定した「Microsoft Office PowerPoint 2003 1 Year スターター パッケージ」を7980円で11月25日に発売すると発表した。通常版は2万数千円で販売されている。

 スターター パッケージはインストール、ライセンス認証後に1年間利用でき、使用期間が終わると閲覧のみの機能になる。販売は6万本限定。インストール可能台数は通常版が2台なのに対して、スターター パッケージは1台。別PCへの再インストールもできない。使用期間中、または期間終了後に通常版を購入し、通常版のプロダクトキーを入力するとスターター パッケージを通常版に変換できる。

 スターター パッケージには7980円分のクーポンが同梱される。PowerPointの通常版やアカデミック版、Office Standard/Professional Edition 2003、次期Officeなどの対象商品を購入したユーザーは、スターター パッケージのクーポンと対象商品のレシートをマイクロソフトに郵送することで7980円のキャッシュバックを受けることができる。マイクロソフトはクーポンの同梱で、スターター パッケージから通常版への移行を促す考え。

 マイクロソフトはスターター パッケージ発売の理由を、「会社で使っているPowerPoint 2003を、家のPCでも気軽に利用したいという声が数多くあった」と説明している。しかし、プレゼンテーションソフトウェアを巡っては、サン・マイクロシステムズのオフィススイート「StarSuite」に含まれるプレゼンテーションソフトウェア「Impress」を、ソースネクストが1980円で12月9日に発売する、と発表している。また、StarSuiteをオープンソースコミュニティに展開したオフィススイート「OpenOffice.org」も広く知られるようになってきた。OpenOffice.orgは無償で利用できる。

 ImpressはPowerPointとの互換性の高さが売りで、ソースネクストは個人ユーザーを中心に売り込みを図る考え。1年間の使用期限を設定しながらもマイクロソフトがPowerPointの価格を7980円に設定した背景には、低価格な互換製品の存在があるようだ。

(@IT 垣内郁栄)

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マイクロソフトの発表資料

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