無停止型サーバでNECとストラタス協業、市場支配を強める

2005/11/26

 NECは11月25日、米ストラタステクノロジーとの協業を強化し、フォールト・トレラント(無停止型)サーバを共同開発すると発表した。フォールト・トレラント・サーバに対応した新型LSIをNECが供給し、制御ソフトウェアをストラタスが開発するのが協業強化の柱。サーバの生産はNECが行う。NECはストラタスに対して3%分、900万ドルの出資も行い、グローバル市場におけるフォールト・トレラント・サーバの販売力を強化する。

NEC 取締役 執行役員専務 小林一彦氏(右)と米ストラタステクノロジー 社長兼CEO デビッド・J・ロレロ氏

 フォールト・トレラント・サーバはCPUやメモリ、I/Oなどのハードウェアを完全に二重化したミッションクリティカル業務向けのサーバ。NECとストラタスはこれまでもフォールト・トレラント・サーバ開発で協力してきた経緯があり、「市場でのシェアは90%以上を占め、グローバルで独壇場」(NEC 取締役 執行役員専務 小林一彦氏)だという。

 フォールト・トレラント・サーバは、二重化したハードウェアの間で高速に同期を取り、片方のハードウェアに障害が起きていないかを常時チェックする仕組み。従来のサーバではCPUやI/Oを制御するチップセットとして3つのLSIを使っていたが、NECは3つのLSIを1つに統合する新型LSIを開発した。新型LSIはデュアルコア、マルチコアによって同期の仕組みが複雑になる新型プロセッサにも対応する。

 NECが開発した新型LSIに加えて、ストラタスがフォールト・トレラントの制御ソフトウェアを開発し、新型サーバを共同開発する。対応OSはWindowsとLinux。サーバの生産は甲府市のNECコンピュータテクノが担当し、完成品をストラタスにOEM供給する。NECとストラタスがそれぞれのブランドでフォールト・トレラント・サーバをグローバルに販売する。小林氏によると新型サーバは2006年1月末から2月始めに出荷開始。2006年10月から本格的に展開する。

 フォールト・トレラント・サーバの市場はすでにNECとストラタスの陣営がほぼ独占している模様だ。両社の2005年度の出荷台数は合わせて3200台。両社が約1600台ずつを販売している。フォールト・トレラント・サーバはIBMと富士通の連合がソフトェアベースで二重化制御を行うWindows対応のサーバを展開しているが、「富士通とIBMの陣営は年間に50台も販売していないのではないか。ほとんどぶつかっていない」(小林氏)といい、NECとストラタスが市場を圧倒しているとの認識だ。NECは自社での販売と、ストラタスへのOEM供給を合わせて2008年には1万1000台を販売したい考え。サーバ製品にソフトウェアやサービスを組み合わせたソリューション販売を強化することで収益の向上も狙う。

 小林氏はフォールト・トレラント・サーバの今後について「PCクラスタが対抗になるのではないか」と指摘した。そのうえで、障害時の切り替えでサービスが一時的に停止することが多いPCクラスタと比較して無停止のフォールト・トレラント・サーバは付加価値が高いとして、「通信制御やプロセス制御など瞬断さえ許されないサーバに最適だ」と強調した。

  NECはサーバ製品の世界展開を加速させている。10月26日には米ユニシスと協業し、ハイエンドサーバをNECが開発してユニシスにOEM提供すると発表した。フォールト・トレラント・サーバに関してはストラタスがすでに存在感を示しているが、NECも積極的に世界展開する方針。ストラタスと担当地域を分けることはせずに「基本的にフリーにやる」(小林氏)という。

(@IT 垣内郁栄)

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NECの発表資料
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