ビデオがキラーコンテンツ、シスコのIP NGNとは?

2005/12/13

 米シスコシステムズは、米国サンノゼで開催したアナリスト向けカンファレンスで同社が取り組むべき重要な構想として「IP NGN」(IP Next Generation Network:次世代IPネットワーク)を掲げた。同社シニアバイスプレジデント ルーティングテクノロジグループのマイク・ボルピ(Mike Volpi)氏は、IP NGNの実現でケーブル通信事業者、インターネット通信事業者、携帯電話通信事業者の通信網を仮想化して共通のプラットフォームを構築することが可能になると説明した。

米シスコシステムズ シニアバイスプレジデント ルーティングテクノロジグループのマイク・ボルピ氏

 ボルピ氏は次世代の通信事業者の共通プラットフォームについては、「ユーザー認証マネジメントや、ポリシーマネジメント、モビリティマネジメント、ダイナミックなセッションのマネジメントの管理を司る」とした。

 さらに、ボルピ氏は「移動網と固定網を融合するコア制御技術として、シスコのxSP向けのスイッチやコントローラ、ルータは、IMS(IP Multimedia Subsystem)をサポートすることになった」と、キャリア向け製品の新機能を紹介した。IMSは、SIP(Session Initiation Protocol)などIPベースのプロトコルをベースにする技術。3GPP(第3世代移動通信システム標準化団体)が標準化した。モバイル網自体をSIPで制御することが可能で、非PCデバイスのアプリケーションレイヤのサービスも提供できるようになる。

 IP NGNのネットワークを利用することで一般ユーザーは「自宅、勤務先、移動中のどの場所からでも、IP電話、ビデオ、ワイヤレス、データ通信のサービスをデバイスに限定されずに受けられるようになるようになる。そして何より、携帯電話料金が安くなる」(ボルピ氏)。

 ボルビ氏はさらに、「NGNこそが本当のユビキタスネットワークだ。個人がエンターテインメントに利用する時間や方法も変化する。われわれが予想するIP NGN上でのキラーコンテンツはビデオであり、2010年までにビデオオンデマンドの閲覧は現在の4〜5倍に上がると考えている。シスコが先月買収した、ケーブルテレビを用いたビデオ配信事業を手掛けるScientific-Atlantaのセットトップボックスや、リンクシスのワイヤレスモデムがますます活躍することになる」と熱く語った。

(@IT 富嶋典子)

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