「売り上げの半分に」、シトリックスがWebアプリ最適化に本腰
2006/1/25
シトリックス・システムズ・ジャパンの代表取締役社長 大古俊輔氏は1月24日会見し、米本社が2005年6月に買収したWebアプリケーション最適化のアプライアンスベンダ「NetScaler」の製品「Citrix NetScaler」を、日本法人に専門部隊を設けて拡販していくと発表した。大古氏はNetScalerを「主力のCitrix Access Suiteに次ぐ第2の柱にしたい」と意気込みを語り、「3〜4年後には日本法人の売り上げのうち、Citrix Access SuiteとNetScalerの占める割合が半々になることを目指す」と強調した。
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| シトリックス・システムズ・ジャパンの代表取締役社長 大古俊輔氏 |
NetScalerはWebアプリケーションの負荷分散と負荷軽減機能のほか、レイヤ7スイッチやロードバランス機能、DDoS防御やSSLなどのセキュリティ機能を集約した製品で、「Webアプリケーションの速度を15倍速くする」が売り。米グーグルや米イーベイなどのインターネット企業のほか、社内のWebアプリケーションを高速化する目的でメリルリンチやフォードなどが採用している。国内ではネットワンシステムズが販売。大古氏によると「導入済み企業は2ケタある」という。
シトリックスは営業と技術から成るNetScalerの専門部隊を社内に設置した。今年は10人をめどに増員し、パートナーの支援に当たらせる。ネットワンシステムズなど既存チャネルのサポートのほか、新規チャネルの開拓も進める。大古氏は「日本法人の既存顧客は1万2000社。すべての顧客が（Citrix Access Suiteを使う）クライアント／サーバ環境とは限らない。Webアプリケーションのシステムに対して提案できる」と普及に自信を見せた。
大古氏によるとシトリックスの顧客は、2005年初めの9000社から2006年1月には1万2000社に増えた。個人情報保護法施行による追い風があったが、大古氏は「2005年秋から初冬にかけて2006年度の計画としてシトリックスのソリューションを検討する企業が多かったと聞いている。この分野の市場は今年も強い」と述べ、好調が2006年も続くとの認識を示した。2006年度は前年度比20％以上の売上増を目指す。
シトリックスは日本版企業改革法（日本版SOX法）などコンプライアンス対応のソリューションも強化する。ERPベンダ、コンサルティングファームなどのパートナーと協力。大古氏は「セキュリティが日本版SOX法のサブセットであることは間違いない」と指摘した。アクセス管理やアプリケーション利用のユーザーごとの記録、シングルサインオンなどクライアント環境のIT統制に対してソリューションを提供すると見られる。
（＠IT 垣内郁栄）
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