「デルが目標」 ソーテックが法人PC参入、HDDレスPCも
2006/1/26
ソーテックは1月25日、シンクライアントPCなど3種の企業向けPCを投入し法人向け市場に本格参入すると発表した。海外工場で生産を行う多くの他社ベンダと異なり、国内でパーツの組み立て、稼働テストを行うのが売り。同社の代表取締役社長 山田健介氏は「デルのモデルを目標にしたい」と述べた。
ソーテックの代表取締役社長 山田健介氏 |
ソーテックは海外工場にPCの生産を委託するファブレス方式を主に採っているが、法人向けPCでは国内で最終組み立てや稼働検証を行う。子会社のソーテック・イー・サービスが横浜市に持つ製造部門を活用する。
プロセッサやハードディスクドライブ(HDD)、アプリケーションなどをユーザーが選択できるBTO方式を採用し、「ユーザーの要望をきめ細かく生かすものづくりに軸足を置いて経営したい」(山田氏)という。2008年度には法人事業の売り上げを50億円まで拡大させる計画。全事業のうち構成比で21%を占めるまで成長させるのが目標だ。
発売するのはB5ノートPC「e-three HS300」(15万6450円から)とデスクトップPC「e-three HC300」(6万3000円から)。1月末に出荷する。PCから光学ディスクドライブを取り外したり、USB、I/Oポートを使えないようにするなどセキュリティを高めるカスタマイズも可能。サポートは標準で3年保証。法人専用のテクニカルサポートやオンサイトの対応も用意する。ソーテックの直接営業、Webサイト販売のほかにシステム・インテグレータ(SIer)の代理店販売も行う。受注から納品まで3〜6日で商品を届けるSCMを今後構築する。
ソーテックが発表したHDDレスのシンクライアントPC「e-three TS201」 |
ソーテックはHDDを搭載しないB5ノートタイプのシンクライアントPC「e-three TS201」(14万1900円)も発表した。3月に発売、出荷する。ソーテックは、シンクライアント向けにカスタマイズしたOSイメージを開発、提供するネクスタームと協業。顧客企業の業務やバックエンドシステムに応じてOSのWindows XP Embeddedをカスタマイズできるようにする。
ドライバの設定変更やアプリケーションの追加、I/Oの制御などもネクスターム側で行う。「決め細やかなサービスで大手PCベンダと差別化する」(ネクスターム 専務取締役 吉川良一氏)。「Citrix Presentation Server」「KitASP Go-Global」などサーバベース・コンピューティングのシステム、Webアプリケーションに対応する。
バックエンドシステムの構築も関係するため、シンクライアントPCの販売はSIer経由が中心になるとみられる。ユニアデックスがシステム構築で協力する予定だが、ソーテック、ネクスタームはそのほかのSIerの開拓も進める考え。「少しでも扱い数を増やしたい」(吉川氏)としている。
(@IT 垣内郁栄)
[関連リンク]
ソーテックの発表資料
ネクスターム
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