システム開発失敗で50億円の損失、東京ガス
2006/2/3
東京ガスは2月1日、自社システムの開発中止で2006年3月期決算に50億円の損失を計上する見通しになったと発表した。経営責任として代表取締役社長が月額報酬の20%を2カ月間、自主返上する。
プロジェクト担当の本部長、副本部長も社長訓戒のうえ月額報酬の20%を2カ月間、自主返上する。プロジェクトを主管した担当部長、グループマネージャーの計4人も社長訓戒を受けた。
東京ガスによると中止したのは、コールセンターの電話受付内容を管理するシステムと、エネスタなどの関係会社が行う機器販売、機器修理、開閉栓などの業務を支援するシステムを統合し、顧客情報を一元管理するプロジェクト。約30億円の予算で2003年3月に開発を始めた。
しかし、運用テストで顧客データの呼び出しに現行システムと比べて40秒以上長くかかることが判明。当初に完成予定だった2004年10月を過ぎても完成せず、開発コストも2倍の60億円に膨らんだ。東京ガスはシステム完成のめどが立たず、顧客向け施策が変化したことなどから、プロジェクトの中止を決めた。
開発は市販の業務ソフトウェアを利用し、主に自社で開発した。今後は現行システムを使い続ける予定で、統合システムを新たに開発するかは今後検討するとしている。
(@IT 垣内郁栄)
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東京ガスの発表資料(PDF)
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