失敗プロジェクトを撲滅する国産ERPモジュール

2005/9/28

 ITエンジニアリングは9月27日、国産ERP「GRANDIT」に対応した「GRANDIT 個別原価管理」モジュールを10月5日に発売すると発表した。個別原価管理モジュールを使うことで個別受注産業の建設業やエンジニアリング業、製造業、システム開発業などでもGRANDITを使うことができるようになる。ITエンジニアリングでは「失敗プロジェクトをなくし、赤字案件の撲滅に貢献する」としている。

ITエンジニアリング 営業部 マーケティンググループ チームマネージャー 岡崎尚彦氏

 GRANDITはITエンジニアリングを含むユーザー企業系のシステム企業10社がコンソーシアムを組んで開発した中堅企業向けのERP。日本企業の業務に即した機能を搭載し、カスタマイズなしに低コストで利用できる、とアピールしている。プラットフォームにはMicrosoft.NETを採用。2004年5月に販売開始し、ITエンジニアリングによると今年8月までにコンソーシアム全体で34社に販売した。ITエンジニアリングもGRANDITの標準モジュールの販売、導入を手がけ、4社に販売。「GRANDITの知名度が上がり、引き合いが多くなってきた」(ITエンジニアリング 営業部 マーケティングチーム チームマネージャー 岡崎尚彦氏)という。

 個別原価管理モジュールを使うことで、プロジェクトごとの財務会計、管理会計が可能になる。GRANDITの標準モジュールである「経理」と連携し、プロジェクトレベルのデータを全社レベルに反映させることが可能。プロジェクトのワークフローごとに損益悪化部分を特定し、計画を迅速に再評価できるという。経営者はプロジェクトごとの損益予想を把握したうえで全社の経営資源を調整でき、「突然の赤字にならないようリスクを最小化できる」(岡崎氏)。個別原価管理モジュールを使うには、経理モジュールの導入が必須。

 個別原価管理モジュールはITエンジニアリングが取り扱うプロジェクト管理ツール「Primavera」と連携させることもできる。プロジェクトの予算管理と工程計画、進ちょく管理を統合的に行うことが可能だという。

 個別原価管理モジュールはオープンプライス。参考価格は100ユーザーの使用で300万円から。ITエンジニアリングは2005年度に3億円、今後3年間で60ライセンスの販売を見込んでいる。

(@IT 垣内郁栄)

[関連リンク]
ITエンジニアリングの発表資料
GRANDIT公式サイト

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