MSが「Longhorn Server」の国内初デモ、IIS 7.0も紹介
2006/2/4
マイクロソフトは2月3日、神奈川県横浜市で開いた開発者向けのイベント「Microsoft Developers Conference 2006」で、2007年に登場予定の次期サーバOS「Longhorn Sever」(開発コード名)のデモンストレーションを国内で初めて公開した。Longhorn Server上で稼働するWebサーバ機能「Internet Information Services 7.0」(IIS 7.0)のデモも紹介し、Webアプリケーションを容易に構築できることを示した。
米マイクロソフトのデベロッパー&プラットフォーム エバンジェリズム グループ コーポレートバイスプレジデントのサンジェイ・パラササラシー氏 |
米マイクロソフトのデベロッパー&プラットフォーム エバンジェリズム グループ コーポレートバイスプレジデントのサンジェイ・パラササラシー(Sanjay Parthasarathy)氏は「Longhorn Severはわれわれにとって大変重要なリリース。モジュール構成が最大の特徴だ」と述べた。Longhorn SeverではOSの基本部分を「Server Core」と呼ぶ。「Networking」「Security」「Active Directory」「Management」の4つの機能で構成する。これらの機能は最低限のコードで書かれていて、バグを引き起こしたり、脆弱性を生むような余計なコードを省いている。Server Coreでは「カーネルと基本的なサービスをGUIなしで構成できる」(パラササラシー氏)という。
Server Coreの上位には「Server Core Plus」と呼ぶ層を配置する。「Shell」「.NETフレームワーク」「Microsoft管理コンソール」(MMC)と各ツール群で構成する。これらもモジュール化されているため、利用しない機能を外すことなどが容易だという。マイクロソフトのWindows Server製品部 マネージャの中川哲氏は、Longhorn Serverのコマンドプロンプト画面を紹介したのち、Longhorn Sever上で稼働するIIS 7.0のデモを行った。IIS 7.0も機能がモジュール化されていて、必要な機能だけをピックアップして利用することができる。モジュールの取り外しや追加はWebサイト、Webアプリケーションにリアルタイムで反映される。
「Longhorn Server」のアーキテクチャ |
中川氏はPHPと.NETのコードを組み合わせてフォーム認証のアプリケーションを作成するデモを示した。Longhorn Severでは仮想化技術の採用も特徴の1つ。パラササラシー氏は「Windows hypervisor」の機能を紹介し、「マイクロソフトは仮想化技術に大きな投資をしている」と述べた。
マイクロソフトは同日、Windows Server 2003のマイナーバージョンアップ版である「Windows Server 2003 R2」の出荷を開始した(技術詳細記事)。同社は、ISV119社で計299のアプリケーションがR2の対応を表明したことを紹介。鹿島建物総合管理、住友金属工業、アステラス製薬、コンデネット・ジェーピーの4社がR2の導入を決定していることも示して、R2のスムーズな立ち上がりをアピールした。
中川氏はR2について「Windows Server 2003 SP1のコードをベースにいくつかの機能を追加した。変ったのはMMCの部分だけ。そのほかはまんまSP1」と説明。そのうえで「SP1のコードをベースにしているため、アプリケーションの高い互換性があり、スムーズに移行してもらえる。マイクロソフト社内では既存アプリケーションと100%の互換性があった」と語った。
(@IT 垣内郁栄)
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