中小企業の救世主? 商工会議所がポータルサイト開設

2006/2/9

 日本商工会議所は2月8日、全国規模でのビジネスマッチングを推進する公認サイト「CHAMBER WEB」を本格オープンした。同サイトでは、中小企業の経営課題に対して専門家がアドバイスしたり、多様なマッチングを行うなど、『中小企業経営課題解決ポータルサイト』を目指すという。

日本商工会議所 常務理事 篠原徹氏
 CHAMBER WEBは2000年9月に開設され、5年強にわたり同所会員企業向けに情報提供や交流の場を提供してきた。しかし、「日本経済は回復傾向にあるが、いまだに地方の地域経済は厳しい。商工会議所も各地会議所より多数の支援要請が寄せられている」(日本商工会議所 常務理事 篠原徹氏)という実情から、会員企業に限らず、広く中小企業に対して経営課題を解決するポータルサイトへの転換を決定した。

 方針転換後、2005年6月にサイトをリニューアルしてプレオープンし、2006年1月の月間閲覧数は約230万ページビューだったという。サイトの運営はCHAMBER WEB&CONSULTANTが担当し、クインランドが技術・運営支援を行う。

 リニューアル後は、大きく分けて「各地商工会議所の開設するWebサイトとの密接なリンクによって、各地商工会議所を支援する」「中小企業の経営課題を細分化し、専門家のアドバイスを提供する」「地域生活者のマーケットニーズを集積し、中小企業のマーケティング活動を支援する」「集積したマーケティング情報を基にビジネスマッチングの機会を提供する」「各地商工会議所や企業、生活者がユーザーとなる『地域複合参加型』の情報サイトとなる」の5点を目標に挙げた。

 具体的には、経験豊富な企業のOB人材が経営課題に関する相談に応じるほか、再就職先などを斡旋するコーナーや、経営課題について解決策を持つ企業が自動的にピックアップされる「取引先検索」、経営課題と関連した補助金・助成金情報がアップされる「補助金・助成金情報」、中小企業が簡単に自社の採用ページを構築できるASPサービスなどを、4月から順次提供を開始する予定だ。これらのサービスは、料金を支払えば検索で上位に表示されるなどのメリットをつけて有料サービスとして提供する予定だという。

 篠原氏は、初年度の目標にアクセス数月間500万ページビュー、商工会議所会員事業所数約150万の30%(45万件)のビジネスマッチングの利用などを挙げ、「商工会議所会員150万事業所の95%が中小企業だ。このサイトを通じて、地域振興と中小企業の発展を支援したい」と抱負を語った。

(@IT 大津心)

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