オープンソース導入率が48.8%に、公共は90%超の調査結果

2006/2/18

 矢野経済研究所が2月16日発表した調査結果で、企業・公共機関のオープンソースソフトウェアの導入率が前回調査から16.8ポイント増えて、48.8%になったことが分かった。特に公共機関の導入率は93.1%と高い率を示している。一方でOSSに関する人材不足が深刻化しているようだ。

 公共機関のOSS導入率は前回調査の61.9%から93.1%に上昇。ほとんどの自治体が何らかのOSSを導入しているようだ。ほかには金融・保険業が前回調査の22%から2倍以上の47.5%にアップした。企業の導入率ではサービス業が最も高く、60.6%だった。

 Linux、UNIX、Windowsの各サーバ上でユーザーが利用しているOSSはApacheが最も多く、27.9%だった。sendmail(18.8%)、BIND(13.2%)が続き、フロントエンド系のWebシステムでOSSが広く使われていることが分かる。また、データベースのPostgreSQLが前回調査の7.2%から11.9%に上昇。MySQLも4.7%から8.2%にアップした。Tomcatは前回調査の2倍に当たる10.6%になっていて、矢野経済研究所は「オープンソースはミドルウェア領域にまで利用が拡大している傾向がうかがえる」としている。

 Linuxサーバの導入率は前回調査から11.6ポイント増えて39.2%となった。LinuxディストリビューションではRed Hatが62.4%でトップ。大きく離れて国産のTurbolinuxが15.8%で2位。MIRACLE LINUXが4.8%で3位となっている。

 OSS導入に対する問題や不安としても最も多かった回答は「スキルのある人材がいない」で、69.5%。ほかの項目を圧倒する回答率でOSSを扱うエンジニアの不足が深刻化していることが分かる。矢野経済研究所は「今後はエンジニアの育成が急務」としている。ほかには、アプリケーションとの互換性や、ベンダ、システムインテグレータのサポート、安定性・信頼性を問題とする答えがあった。

(@IT 垣内郁栄)

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矢野経済研究所の発表資料

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