Oracle Databaseを無期限サポート、各サポート期間も明確に

2006/3/2

 日本オラクルは3月1日、製品のサポートを無期限で提供する「ライフタイム・サポート・ポリシー」を従来のアプリケーション製品からデータベースを含む全製品に拡大すると発表した。米オラクルのエグゼクティブ・バイスプレジデント ユルゲン・ロトラー(Juergen Rottler)氏は、これまで不透明だった各製品のサポート期間を明確化することで、「製品のバージョンアップに関して高い予測性を顧客に提供する」と述べた。

米オラクルのエグゼクティブ・バイスプレジデント ユルゲン・ロトラー氏(右)と日本オラクル 取締役常務執行役員 保科実氏

 オラクルの従来のサポートは製品ごとに期間が異なっていた。サポート終了時期は1年前までに告知されることが多く、「顧客のバージョンアップ計画に十分ではなかった」(日本オラクル 取締役常務執行役員 保科実氏)。ライフタイム・サポート・ポリシーでは製品出荷時から全製品共通のサポート期間をあらかじめ決めるため、顧客はバージョンアップの計画を長期的に策定しやすくなる。

 製品導入後に最初に利用する「Premier Support」は技術サポートやメンテナンスリリースの提供、新規パッチ、セキュリティアラート、税・法改正への対応を受けられる。いわゆるフルサポートで期間は製品出荷後5年。Premier Supportからメンテナンスリリース、サード・パーティによる動作保証を除いた「Extended Support」が製品出荷後6〜8年の3年間。技術サポート、既存パッチの提供、バージョンアップ製品の提供を受けられる「Sustaining Support」が、ライセンス、サポート契約をしている限り、Extended Support終了後に無期限で受けられる。

 Sustaining Supportでは新規パッチの提供はサポートしないが、有償で新規パッチの作成を要求できるオプションを用意する。ただ、ロトラー氏は「8年経過した後に未知のバグが出ることは考えにくい」としている。

 ライフタイム・サポート・ポリシーの対象は以前からサポートしているOracle E-Business Suiteに加えて、Oracle Database 9.2以降、Oracle Collaboration Suite 10.1.1以降、Oracle Enterprise Manager 10.1.0以降。Oracle Fusion Middlewareを構成するOracle Applicatin Serverも対象になる。

 例えば2005年7月に出荷されたOracle Database 10.2の場合では、Premier Supportが2010年7月まで、Extended Supportが2013年7月まで、その後はSustaining Supportで無期限のサポートが受けられる。対象バージョン以前のバージョンを使っている顧客は、対象バージョンにアップグレードすることで、ライフタイム・サポート・ポリシーを利用できる。

 年間サポート価格は、Premier Supportが従来と同じライセンス価格の22%分。Extended Supportは1年目がライセンス価格の24.2%、2年目以降が26.4%。Sustaining Supportは22%となっている。データベース製品に限ってオラクルが提供している無期限サポート「Extended Maintenance Support」は、ライセンス価格の28.6%分だった。

 オラクルは、ミッションクリティカル環境でオラクル製品を使うユーザー向けに、Premier Supportのサービスレベルを上げたサポートも用意する方針で、今春にも発表する。保科氏は「Oracle Databaseは日本の社会インフラで使われている。ライフタイム・サポート・ポリシーで安心して使い続けてもらえる」と述べた。

(@IT 垣内郁栄)

[関連リンク]
日本オラクルの発表資料

[関連記事]
1時間以内に初期応答、SAPがSLA付き新サポートサービス (@ITNews)
国産Linuxサーバで安心のサポートを提供します (@ITNews)
「2013年までサポート継続」、ピープルソフト決定の背景は (@ITNews)
無期限サポートを提供、日本オラクル決断の背景は (@ITNews)

情報をお寄せください:



@ITメールマガジン 新着情報やスタッフのコラムがメールで届きます(無料)