富士通と横河電機、光通信部品で日本連合

2006/3/2

横河電機の内田社長(左)と富士通の伊藤専務(右)

 横河電機と富士通は3月1日、光通信関連の要素技術や部品を共同開発していくことで合意したと発表した。第1弾の開発成果となるのは40Gbpsの送受信モジュール。富士通はこれを、自社の光伝送システムに今年末から来年初めにかけて採用する。

 今回の合意では、両社は次世代システム開発のロードマップを共有するとともに、ビジネスプランを共同策定する。これをベースに、横河電機の化合物半導体技術と富士通のシステム技術を生かし、それぞれの開発資源を使って次世代光通信関連技術を共同開発する。

 横河電機は、共同開発に基づくデバイスを生産し、富士通に対して優先的、継続的に供給する一方、他社に対しても販売していく。横河電機は光通信関連製品を、同社の主要事業分野に育てていきたい考えだ。

 富士通はWDMなどの光伝送システムで、米国および国内におけるトップシェアを獲得している。同社で通信機器事業を統括する取締役専務 伊藤千秋氏は今回の提携について、「最先端の製品を提供していくうえで、カギとなるのはものづくりの要素が強いデバイス。グローバルに見てもこの分野でトップの(横河電機)と組めたことで、安定的な立場が獲得できる」と説明した。

 横河電機の代表取締役社長 内田勲氏は、「光通信関連ビジネスを、制御、計測と並んで第3の柱にしたい。今回の提携で、このビジネスの展望が極めて明確に見通せるようになった」と述べた。同社における光通信関連売り上げは、現在のところ数億円規模だが、2010年で1000億円規模への拡大を目指している。

 横河電機は化合物半導体の開発を1983年に開始、同社の計測機器などで活用してきた。2001年にはこの技術を生かして40Gbps光通信用モジュール・ビジネスへ本格参入することを表明、2004年には光パケットスイッチ技術の開発に成功した。

 同社は約250億円を投じ、化合物半導体を中心とする開発・生産拠点を神奈川県・相模原に建設中で、今年11月の竣工(しゅんこう)を予定している。同拠点は、光通信市場に対する安定的な製品供給を目的としている。

(@IT 三木泉)

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横河電機の発表資料

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