シスコ、富士通提携、共同ブランドのルータ開発

2004/12/7

 富士通とシスコシステムズは12月7日、ミッドレンジからハイエンドのルータ・スイッチ分野で戦略提携を結んだ。両社は、製品の“Fujitsu-Cisco”ブランドの共同開発に加え、法人向けソリューションのマーケティングからサポートまでを協業する。

 記者会見冒頭に衛星中継で登場した米シスコシステムズ 社長兼CEOのジョン・チェンバーズ(John Chambers)氏は「両社にメリットを与える今回の取り決めは、ライバル企業の追随を許さない“戦略提携”である」と表現し、提携への期待をみせた。

 提携の理由を両社は次のように述べた。

 富士通 代表取締役社長 黒川博昭氏は「ユーザーのIT基盤の最適化には、富士通単独で取り組むのではなく、圧倒的なシェアを持つグローバルプレーヤーとの提携が肝要」とし、一方のシスコシステムズ 代表取締役社長 黒澤保樹氏は「IPv6などの日本市場の要求に迅速に応えていくには、国内でのソリューション提供のノウハウが必要だと考えたため」と語った。

 富士通とシスコシステムズは提携事業の第1弾として、「IOS-XR」を搭載した“Fujitsu-Cisco”ブランドの製品を共同開発する。「IOS-XR」は通信事業者向けに新しいアーキテクチャを採用したシスコシステムズの次世代のハイエンドルータ向けOS。開発作業には、両社のメンバーで構成した品質向上/開発チームが取り組み、2005年春の製品出荷を目指す。

 ミッドレンジからハイエンドのルータ/スイッチの製品群も、両社のメリットを相互補完し合ったロードマップの樹立を目指し、両社共同の新しい評価/検査の流れを構築しながら品質の向上を狙う。

 今回の提携で富士通は(400億円の売り上げの)キャリア向けルータ事業の黒字化を、シスコシステムズは半年に一度の頻度で行うルータ向けアップデートソフトウェアの開発期間の短縮を目指す。

(編集局 富嶋典子)

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