USENとライブドアの提携、「PCもケータイも」
2006/3/17
USENの宇野康秀代表取締役社長(左)とライブドアの平松庚三執行役員社長(右) |
3月16日夕方、東京都内で開かれたUSENとライブドアの業務提携に関する記者会見で、USENの宇野康秀代表取締役社長とライブドアの平松庚三執行役員社長は、ともに「シナジー」という言葉を繰り返した。
「ライブドアとしては、自力更生という選択肢もあったが、それでは時間がかかるため、パートナーが必要だった」と話した平松社長。ライブドアには数多くの再生支援話が持ち込まれたが、シナジーが得られる事業会社と組みたいという思いから、USENに提携を持ちかけたという。「われわれが最も望んでいたパートナーと組めた」と平松氏は表現する。
USENの宇野社長は、「ライブドアは高トラフィックなポータルで、コミュニティサービスに強みがある。USENはコンテンツ、ネットワーク、人材サービスに強いがライブドアはコマース、情報コミュニティ、ファイナンスに強い。2社が連携することで、集まってくる人のニーズに幅広く応えることができ、広告価値が上がる。また課金コンテンツなどの収益機会も拡大する」と話した。
USENは800万人の登録ユーザーを獲得した無料動画サイト「Gyao」の携帯版を発表したばかり。宇野氏は「PCとともに重要なモバイルでもシナジーがある。livedoor mobileはケータイ上のポータルで第2位のトラフィックを得ている」と、モバイル・コンテンツサービスにおける存在感アップへの期待もにじませる。
今回の一連の動きでは、USENがライブドアに出資したわけではない。このため、両社が3月16日に発表したのはあくまでも業務提携。具体的な提携の内容は、3月下旬までに合同で発足予定の業務提携推進委員会の場で話し合われることになる。ただし両社は、ポータル事業だけでなく、ファイナンス事業やソフトウェア事業を含めた提携であるとしている。また、この契約では、USENは今年6月のライブドア臨時株主総会においてライブドアの取締役2名を指名できることになっているという。
宇野社長はフジテレビが所有していたライブドア株を、個人として引き受けた。「ライブドアの資産再評価も済んでいない状態で、リスクマネジメントができない(ためUSENとして出資できない)」と説明する。ライブドアの筆頭株主は堀江貴文氏のままで、宇野氏は第2位の大株主となった。
宇野氏はライブドアが堀江氏との断絶を図り、コーポレート・ガバナンスが効くようにしていくべきだと明言した。現時点で宇野氏が堀江氏から保有株を買う、あるいはほかの手段で株を買い増すなど、ライブドアの株主構成が大きく変わる予定はないが、「健全な株主構成になるべき」だと考えていると話した。
(@IT 三木泉)
[関連リンク]
業務提携に関するUSENの発表資料(PDF)
株式取得に関するUSENの発表資料(PDF)
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