「サイボウズ仕様のW-ZERO3を出したい」〜サイボウズ青野社長
2006/3/24
サイボウズは3月23日、ビジネスモバイル事業への参入を目指し、ウィルコムとモバイル事業で販売提携を行い、ウィルコムの端末を利用したテストサービスを開始すると発表した。テストサービスでは、サイボウズが選んだテストユーザー企業10〜20社にウィルコム端末を配布し、サイボウズのグループウェアのモバイル版を提供する。
モバイル版サイボウズのデモ画面。PHS通信にもかかわらず、LANで使っているように軽快に動作するのが印象的だった |
テストサービスでは、サイボウズが選んだテスト企業10〜20社にウィルコム端末の「WX310SA」と「WX310J」を配布。この端末を利用することで、音声通話と中小企業向けグループウェア「サイボウズ Office 6」へのアクセスが可能になる。具体的にユーザーは、携帯電話のWebブラウザで専用のURLにアクセスし、まずサイボウズが用意するリレーサーバにアクセスする。サイボウズのリレーサーバはそのデータを暗号化して、ユーザーの「サイボウズ Office 6」サーバへ転送して通信を行う仕組み。この仕組みだとユーザーは、サイボウズ Office 6サーバを用意するだけでよく、導入が簡単な点が特徴だ。
このテストサービスで意見を収集し、年内中に正式サービスを開始するとした。同社では、最初の1年間で2〜3万人の利用を目標にした。青野氏は、「モバイルサービスでは、携帯電話を利用したグループウェアの利用以外にも、プッシュで情報を配信するサービスや端末とアプリケーションをセットにしたサービスなどを想定している。これらのサービスをまとめてワンセットで提供することが重要だ」と述べた。
携帯端末向けのアプリケーション開発は、サイボウズと業務・資本提携しているゆめみが担当。課金や顧客サポートなどはサイボウズ子会社のインフォニックスが担当する。青野社長は、「昨日、電車の中で隣に30代のサラリーマンが携帯電話をいじっていたが、ゲームをやっていた。このように現在のビジネスマンが携帯電話でできるアプリケーションの選択肢が少な過ぎるのが現状だ」と指摘。「もともとソフト屋である当社がモバイル市場に参入するのは難しかった。しかし、2005年にM&Aと提携でインフォニックスやゆめみとの関係を深めた際に、長年の夢だったビジネスモバイルへの参入に対して『後はキャリアだけだ』と思った。今回キャリアのウィルコムと提携したため、ビジネスモバイル事業への参加を決めた」と語り、同社がビジネスモバイル市場へ参入する背景を説明した。
青野氏は、提携先にウィルコムを選んだ理由について「キャリア各社に話を持っていったが、他社と比べて圧倒的な速さでスピーディに対応してくれた点が大きい。また、このサービスの肝となるパケット代について、最も真剣に定額制に取り組んでいる点も大きい」と説明した。また、将来的なMVNO参入については、「今回の事業参入も、MVNO参入を見越した取り組みだ。まだ検討段階だが、サイボウズブランドの『W-ZERO3』みたいな端末も出してみたい」と語った。
デモ画面。左が携帯電話版で右がPCの画面。データはシンクロしており、外出先からでもスケジュールの確認や変更がほぼリアルタイムでできる点が特徴だ |
左から、ゆめみ 深田浩嗣社長、ウィルコム 瀧澤隆執行役員、サイボウズ 青野慶久社長、インフォニックス 淺野浩志社長 |
(@IT 大津心)
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サイボウズの発表資料
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