マイコンの時代が終わり、組み込みの時代が始まる

2006/4/1

社団法人組込みシステム技術協会 企画本部長 澤田勉氏(左)と事業本部長 門田浩氏(右)

 「社団法人日本システムハウス協会」は4月1日付けで「社団法人組込みシステム技術協会」(JASA:Japan Embeded Systems Technology Association)へと名称を変更する。マイコン応用システムの開発を主力とするシステムハウスの集まりから、組み込み開発を主眼とする業界団体へと衣替えをする。協会名を変更し、組み込み開発にかかわる企業および企業内部門、個人へと募集会員の規定を拡大することで、業界団体としての存在感を刷新したい考え。

 同協会の既存会員の多くは、マイコンチップを開発するいわゆる“上流”開発企業だった。しかし、マイコン開発から組み込み開発へと開発名称が変化し、マイコンチップを応用した製品の幅が大幅に拡大することで、組み込み開発における“下流”開発企業(製品開発企業)の位置付けも大きく変化しつつある。つまり、従来組み込み開発とは直接関係が薄かった企業でも、専門部署を設置しながら研究・開発を行うケースが増えてきた。そこで、同協会は、企業単位での会員資格を、企業内部門へと拡張し、さらに、大学など研究機関で組み込み開発に従事する研究者も受け入れる体制を構築、組み込み開発業界における同協会の存在感を増す方策をとる。

 名称変更にともない、活動内容も組み込み開発に特化したものになる。具体的には、独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)のソフトウェア・エンジニアリング・センター (SEC)の組み込み開発におけるプロセス標準に準拠した教育活動(教科書の作成、検定試験の実施など)や、組み込み開発の技術トレンドなどを広く普及するためのセミナーの展開、ET2006やETロボコンといった組み込み開発関係の展示会企画・運営を行う。

 同協会の最盛期は200社を超える会員が登録していたが、現在の会員数は158社(正会員130社、賛助会員28社)。組み込み産業の中核協会を目指し、当面は200社の会員数獲得を目標とする。

(@IT 谷古宇浩司)

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社団法人組込みシステム技術協会

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